お役立ちコラム

宅建業免許申請の流れとは?準備から免許証交付・営業開始まで解説

目次
  1. 宅建業の営業開始までには複数の手続きがあります
  2. 宅建業免許申請から営業開始までの流れ
  3. STEP1 事業計画と免許区分を確認する
  4. STEP2 会社・事務所・専任宅建士を準備する
  5. STEP3 免許取得要件を確認する
  6. STEP4 必要書類を収集し、申請書を作成する
  7. STEP5 管轄行政庁へ申請する
  8. STEP6 行政庁の審査と補正に対応する
  9. STEP7 免許通知を受領する
  10. STEP8 営業保証金の供託または保証協会への加入を行う
  11. STEP9 免許証の交付を受ける
  12. STEP10 営業開始の準備を整える
  13. 開業希望日から逆算して準備しましょう
  14. 申請を遅らせないための注意点
  15. よくあるご質問
  16. 宅建業免許申請を行政書士がサポートします
  17. 関連記事

宅建業の営業開始までには複数の手続きがあります

「不動産会社を開業するには、いつ、何から準備を始めればよいのだろう」

宅建業免許の取得を検討している方から、このようなご相談をいただくことがあります。

宅建業免許の申請では、申請書を作成する前に、事務所や専任の宅地建物取引士などの要件を確認しなければなりません。

また、行政庁の審査を受けて免許通知が届いても、直ちに営業を開始できるわけではありません。営業保証金の供託または保証協会への加入を行い、免許証の交付を受ける必要があります。

この記事では、宅建業免許の準備から申請、免許証交付、営業開始までの一般的な流れを行政書士が解説します。


宅建業免許申請から営業開始までの流れ

宅建業の営業開始までは、おおむね次の順序で進みます。

  1. 事業計画と免許区分を確認する
  2. 会社・事務所・専任宅建士を準備する
  3. 免許取得要件を確認する
  4. 必要書類を収集し、申請書を作成する
  5. 管轄行政庁へ申請する
  6. 行政庁の審査を受け、免許通知を受領する
  7. 営業保証金の供託または保証協会への加入を行う
  8. 免許証の交付を受け、営業を開始する

申請先や保証協会の手続き、補正の有無などによって、実際の期間は異なります。

開業希望日から逆算して、余裕を持って準備を始めることが重要です。


STEP1 事業計画と免許区分を確認する

最初に、どのような不動産事業を、どこに事務所を設置して行うのかを整理します。

宅建業免許には、都道府県知事免許と国土交通大臣免許があります。

都道府県知事免許

1つの都道府県内だけに宅建業を営む事務所を設置する場合は、その都道府県知事へ申請します。

東京都内に本店と支店を設置する場合は、事務所が複数あっても東京都知事免許です。

国土交通大臣免許

2つ以上の都道府県に宅建業を営む事務所を設置する場合は、国土交通大臣免許となります。

例えば、東京都に本店、神奈川県に支店を設置する場合は、国土交通大臣免許を申請します。

免許区分は取引する不動産の所在地ではなく、宅建業を営む事務所を設置する都道府県の数によって決まります。

知事免許と大臣免許の違い


STEP2 会社・事務所・専任宅建士を準備する

法人として宅建業を始める場合は、原則として会社設立登記を完了させた後に免許を申請します。

会社設立時には、定款と登記事項証明書の事業目的から、宅建業を営むことが確認できるようにしておく必要があります。

併せて、宅建業を営む事務所と、専任の宅地建物取引士を準備します。

事務所を契約する前の確認が重要です

宅建業の事務所には、継続性や独立性などが求められます。

自宅兼事務所、レンタルオフィス、シェアオフィス、他法人と同じフロアにある事務所などは、建物の構造や使用方法によって、事務所として認められない可能性があります。

物件を契約した後に事務所要件を満たさないことが判明すると、レイアウト変更や移転が必要になることがあります。

できる限り、賃貸借契約を締結する前に確認することをおすすめします。

専任宅建士の人数を確認します

各事務所には、宅建業に従事する者5人につき1人以上の割合で、成年者である専任宅建士を置かなければなりません。

専任宅建士には、その事務所に常勤し、専らその事務所の宅建業務に従事していることが求められます。

専任の宅地建物取引士とは


STEP3 免許取得要件を確認する

会社、事務所、専任宅建士の準備と併せて、宅建業免許の取得要件を確認します。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 事務所として継続的に使用できるか
  • 他法人や居住部分からの独立性があるか
  • 専任宅建士を必要数設置しているか
  • 専任宅建士の常勤性・専従性に問題がないか
  • 代表者または政令で定める使用人が常勤できるか
  • 代表者、役員等が欠格要件に該当しないか
  • 法人の事業目的から宅建業を営むことが確認できるか
  • 営業保証金または保証協会加入のための資金を準備できるか

要件を満たしていない場合は、申請書を提出する前に、役員構成、勤務体制、事務所レイアウト、定款などを調整します。

宅建業免許の取得要件


STEP4 必要書類を収集し、申請書を作成する

取得要件を確認した後、申請に必要な証明書や資料を収集します。

法人の新規申請では、一般的に次のような書類を準備します。

  • 法人の登記事項証明書
  • 定款
  • 代表者・役員等の身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 代表者・役員等の略歴書
  • 事務所を使用する権原を確認する資料
  • 事務所の案内図
  • 事務所の写真
  • 専任宅建士に関する書類
  • 貸借対照表・損益計算書等
  • 法人税の納税証明書
  • 株主・出資者に関する資料

実際の提出書類は、法人・個人の別、新規・更新の別、役員構成、事務所数、申請先行政庁などによって異なります。

なお、2024年5月25日以降の申請では、専任宅建士については、身分証明書と登記されていないことの証明書の提出が不要となっています。ただし、専任宅建士を兼ねる役員等について、その役員等として証明書が必要となる場合があります。

必要書類が揃った後、免許申請書、誓約書、略歴書、事務所に関する調書などを作成します。

事務所写真は申請用の撮影が必要です

事務所写真は、単に室内を1枚撮影すればよいわけではありません。

一般的には、次のような写真を準備します。

  • 建物全体
  • 建物の入口
  • テナント表示や集合ポスト
  • 事務所の入口と商号表示
  • 事務所内部を複数方向から撮影したもの
  • 机、椅子、固定電話、応接場所等
  • 他法人や居住部分との区分
  • 宅建業者票・報酬額表等(更新・変更の場合)

必要な撮影箇所や写真の有効期間は申請先によって異なる場合があるため、最新の手引を確認します。


STEP5 管轄行政庁へ申請する

申請書類が完成したら、管轄行政庁へ提出します。

知事免許の申請先

知事免許は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県へ申請します。

申請方法は、窓口、郵送、電子申請など、都道府県によって異なります。

国土交通大臣免許の申請先

2024年5月25日以降、国土交通大臣免許の申請について、都道府県を経由する制度は廃止されました。

現在は、主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局等へ直接申請します。国土交通省手続業務一貫処理システム(eMLIT)によるオンライン申請にも対応しています。

申請先や提出方法は制度改正によって変わることがあるため、申請時点の最新情報を確認する必要があります。


STEP6 行政庁の審査と補正に対応する

申請後、行政庁による審査が行われます。

審査では、主に次の事項が確認されます。

  • 申請者や役員等の欠格要件
  • 事務所の実態・独立性
  • 専任宅建士の常勤性・専従性
  • 代表者または政令使用人の勤務状況
  • 申請書と証明書等の整合性
  • 事務所写真や使用権原
  • 法人の事業目的

書類の不足や記載内容の不一致がある場合は、追加資料の提出や補正を求められます。

申請後に代表者、役員、専任宅建士、事務所等を変更すると、申請の取下げや再申請が必要になる場合があります。申請から免許通知までの間は、申請内容を変更しないよう注意が必要です。

審査期間の目安

東京都知事免許の新規申請では、書類受付後、補正期間を含めて約30日から60日が目安とされています。

ただし、申請内容、補正、行政庁の処理状況などによって変わります。保証協会への加入期間は別に必要となるため、審査期間だけを見て開業日を決めることはできません。

国土交通大臣免許は、知事免許より審査に時間を要することがあります。


STEP7 免許通知を受領する

審査の結果、免許が認められると、申請者へ免許通知が行われます。

東京都知事免許では、原則として申請者の主たる事務所宛てに、はがきで通知されます。

ただし、免許通知が届いた段階では、まだ営業を開始できません。

次に、営業保証金の供託または保証協会への加入を行い、免許証の交付を受ける必要があります。


STEP8 営業保証金の供託または保証協会への加入を行う

宅建業者は、取引の相手方を保護するため、営業開始前に次のいずれかの手続きを行います。

営業保証金を供託する場合

営業保証金は、次の金額を供託します。

  • 主たる事務所:1,000万円
  • 従たる事務所:1事務所につき500万円

供託後、免許行政庁へ営業保証金供託済届出書を提出します。

保証協会へ加入する場合

保証協会へ加入する場合の弁済業務保証金分担金は、次のとおりです。

  • 主たる事務所:60万円
  • 従たる事務所:1事務所につき30万円

このほか、入会金や年会費等が必要です。

保証協会への加入には一定の審査と期間を要します。東京都の手引では、加入手続きに約2か月かかる場合があると案内されているため、早めに加入先を決めて相談することが重要です。

免許日から3か月以内に営業保証金または保証協会の手続きを完了しない場合、免許を取り消される可能性があります。

保証協会とは(ハトマーク・ウサギマーク)


STEP9 免許証の交付を受ける

営業保証金の供託または保証協会加入の手続きを完了し、所定の書類を免許行政庁へ提出した後、宅地建物取引業者免許証の交付を受けます。

免許証の交付手続きや必要書類は、免許行政庁や保証協会加入の有無によって異なります。

申請時に提出した書類や免許通知はがき、供託または保証協会に関する書類を適切に保管しておきましょう。


STEP10 営業開始の準備を整える

免許証の交付を受けた後、次のような営業開始準備を行います。

  • 宅地建物取引業者票の掲示
  • 報酬額表の掲示
  • 従業者証明書の作成・交付
  • 従業者名簿の備付け
  • 帳簿の備付け
  • 専任宅建士の勤務先変更登録
  • 保証協会・所属団体の表示
  • 契約書・重要事項説明書等の準備

専任宅建士が就職した場合などは、宅建業者が行う免許上の届出とは別に、宅建士本人の資格登録簿について勤務先の変更登録が必要になる場合があります。

両者は別の手続きであり、宅建業者の届出だけで宅建士個人の登録内容が自動的に変更されるわけではありません。

必要な準備が整った後、宅建業の営業を開始します。


開業希望日から逆算して準備しましょう

宅建業の開業までに必要な期間は、行政庁の審査期間だけではありません。

次のような準備期間も考慮する必要があります。

  • 会社設立
  • 事務所の契約・整備
  • 専任宅建士の確保
  • 宅建士証の交付・変更登録
  • 証明書等の収集
  • 申請書類の作成
  • 行政庁の審査・補正
  • 保証協会への加入
  • 免許証の交付
  • 営業開始前の備付書類等の準備

事務所や専任宅建士の準備状況によっては、営業開始まで数か月を要することがあります。

「何月から営業を始めたい」という希望がある場合は、できるだけ早い段階でスケジュールを作成することをおすすめします。


申請を遅らせないための注意点

事務所を要件確認前に契約しない

事務所要件を満たさない物件を契約すると、移転や追加工事が必要になる可能性があります。

専任宅建士の勤務状況を確認する

他法人との兼務、副業、遠距離通勤などがある場合は、常勤性・専従性について事前確認が必要です。

証明書の有効期間を確認する

身分証明書、登記事項証明書等には、申請先が定める発行後の有効期間があります。早く取得し過ぎると、申請前に取り直しとなる場合があります。

保証協会へ早めに相談する

保証協会への加入は、行政庁の審査とは別に時間がかかります。開業直前になってから申し込むと、営業開始が遅れる可能性があります。

申請後に役員・事務所等を変更しない

審査中に申請内容が変わると、取下げや再申請が必要になる場合があります。会社設立や移転等のスケジュールを整理してから申請しましょう。


よくあるご質問

申請から営業開始までどのくらいかかりますか?

東京都知事免許の審査は、書類受付後、補正期間を含めて約30日から60日が一つの目安です。

ただし、会社設立、事務所準備、書類収集、保証協会加入、免許証交付などの期間は別に必要です。余裕を持って数か月前から準備することをおすすめします。

免許通知が届けば営業できますか?

いいえ。免許通知後に、営業保証金の供託または保証協会への加入を行い、免許証の交付を受ける必要があります。

宅建業者票や報酬額表等の掲示など、営業開始前の準備も必要です。

保証協会にはいつ申し込めばよいですか?

保証協会によって申込みの時期や必要書類、審査日程が異なります。

免許通知後に初めて相談すると営業開始が遅れる可能性があるため、宅建業免許申請の準備と並行して、加入予定の保証協会へ早めに確認することをおすすめします。

自分で申請することもできますか?

ご自身で申請することも可能です。

ただし、事務所や専任宅建士の要件判断、必要書類の確認、写真撮影、補正対応などが必要です。開業準備と並行して行うことが難しい場合は、行政書士への依頼をご検討ください。


宅建業免許申請を行政書士がサポートします

宅建業免許の申請では、書類作成だけでなく、事務所や専任宅建士の要件確認、開業までのスケジュール管理が重要です。

行政書士なかじま法務事務所では、東京都を中心に、千葉県・埼玉県・神奈川県の宅建業免許申請について、次の業務をサポートしています。

  • 免許取得要件の確認
  • 必要書類一覧の作成
  • 申請書・添付書類の作成
  • お客様が撮影した事務所写真の確認
  • 行政庁への申請
  • 申請後の補正対応
  • 免許通知後の手続き案内
  • 保証協会加入に関するご案内

会社設立前や事務所契約前の段階でもご相談いただけます。

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