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専任の宅地建物取引士とは?人数要件・専任の意味

はじめに

宅建業免許を取得するためには、事務所ごとに一定数の「専任の宅地建物取引士」を設置する必要があります。

宅建士の資格を持っている人が会社に一人いればよい、というわけではありません。

「専任」とはどういう意味なのか、何人の宅建士が必要なのか、他の仕事を兼任できるのかなど、宅建業を開業する際には確認しておきたいポイントがあります。

この記事では、専任の宅地建物取引士について、宅建業をこれから始める方にもわかりやすく解説します。


1.専任の宅地建物取引士とは?

「宅地建物取引士」は、宅地建物取引士資格試験に合格し、登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けた人をいいます。

そのうち、宅建業を営む事務所に専任で勤務する宅地建物取引士が「専任の宅地建物取引士」です。

宅建業者には、事務所ごとに一定数以上の専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。

これは、宅建業における重要事項説明などの業務を適切に行い、取引の安全を確保するための制度です。国土交通省も、宅建業者の事務所ごとに従事者5人に1人以上の専任の宅地建物取引士を置く必要があるとしています。


2.専任の宅地建物取引士は何人必要?

専任の宅地建物取引士は、原則として、宅建業に従事する者5人につき1人以上必要です。

例えば、次のようになります。

宅建業に従事する人数 必要な専任宅建士
1~5人 1人以上
6~10人 2人以上
11~15人 3人以上
16~20人 4人以上

つまり、宅建業に従事する人が6人いる場合には、専任の宅地建物取引士が2人必要になります。

「5人に1人」という基準なので、人数が増えた場合には注意が必要です。

また、事務所ごとに設置する必要があります。

例えば、本店に宅建業の従事者が5人、支店に宅建業の従事者が3人いる場合、本店と支店それぞれに専任の宅地建物取引士を置く必要があります。


3.「宅建士」と「専任の宅建士」は何が違う?

ここは混同しやすいところです。

宅地建物取引士の資格を持っている人が、すべて「専任の宅地建物取引士」になるわけではありません。

例えば、会社に宅建士の資格を持つ社員がいたとしても、その人が別の会社で勤務していたり、他の業務に継続的に従事していたりする場合には、その人を自社の専任宅建士として登録できるとは限りません。

「専任」とは、原則として、その宅建業の事務所に常勤し、専らその事務所に係る宅建業務に従事する状態をいいます。

国土交通省の解釈・運用でも、「専任」は原則として宅建業を営む事務所に常勤し、専ら当該事務所に係る宅建業務に従事する状態とされています。

そのため、宅建士の資格を持っていることその会社・事務所の専任宅建士として勤務できることは、別の問題として考える必要があります。


4.専任宅建士は他の仕事を兼ねられる?

「専任」という言葉から、宅建業以外の仕事を一切してはいけないと思われるかもしれません。

しかし、実際には事務所の状況や業務内容によって判断されます。

例えば、宅建業を営む事務所が他の事業も行っている場合、その事務所で宅建業務が行われていない時間に、他の業務に従事することが認められる場合があります。

一方で、他の会社の仕事を継続的に行っているなど、実質的にその事務所の宅建業に専従しているとはいえない状況では、専任宅建士として認められない可能性があります。

そのため、「副業だから大丈夫」「別の仕事だからダメ」と単純に判断するのではなく、実際の勤務状況や業務内容を確認することが重要です。


5.専任宅建士は代表者でもなれる?

会社の代表者であっても、専任宅建士になることができます。

代表者自身が宅地建物取引士の資格を持っており、実際にその事務所に常勤して、専らその事務所の宅建業務に従事しているなど、専任宅建士としての要件を満たしていれば、代表者を専任宅建士として配置することが可能です。

つまり、「代表者だから専任宅建士になれない」ということではありません。

一方で、代表者であれば誰でも専任宅建士になれるというわけでもありません。

重要なのは、代表者という立場ではなく、専任宅建士としての勤務実態があるかどうかです。

例えば、代表者が他の会社の代表者を兼ねており、そちらの会社の業務にも継続的に従事している場合などは、専任性について慎重に確認する必要があります。

また、同じ会社で宅建業以外の事業を行っている場合についても、実際の勤務状況や業務内容などを確認する必要があります。

したがって、

①宅地建物取引士の資格を有していること
②その事務所に常勤していること
③原則として、その事務所の宅建業務に専ら従事していること

などを確認することが大切です。

これから宅建業を開業する場合、代表者自身が宅建士であれば、代表者を専任宅建士として配置することも選択肢の一つになります。


6.専任宅建士が足りなくなったらどうする?

会社の従業者数が増えたり、専任宅建士が退職したりすると、必要な人数を下回ることがあります。

例えば、これまで宅建業の従事者が5人だった会社で、新たに従事者が増えて6人になった場合、必要な専任宅建士は1人から2人になります。

また、専任宅建士が退職した場合などにも、必要人数を満たさなくなる可能性があります。

このような場合には、新たな専任宅建士を確保するなど、必要な人数を満たすための対応が必要です。

規定に抵触する状態になった場合には、2週間以内に適合させるための措置が必要とされています。

宅建業免許を取得した後も、専任宅建士の人数や勤務状況については継続して管理しておく必要があります。


7.専任宅建士を変更するときの注意点

専任宅建士が退職した場合や、新しい宅建士を採用した場合には、宅建業免許に関する変更手続きが必要になることがあります。

例えば、

  • 専任宅建士が退職した
  • 新しい宅建士を専任として配置した
  • 専任宅建士を交代した
  • 事務所の従業者数が増えた
  • 支店を新設した

といった場合には、必要な手続きを確認する必要があります。

特に、専任宅建士の退職によって必要人数を下回る場合には、単なる「変更届」の問題だけではなく、新しい専任宅建士を確保することも必要になります。

宅建業免許を取得した後も、専任宅建士の状況は適切に管理しておきましょう。


8.これから宅建業を始める場合は、早めに確認しましょう

宅建業免許を申請する際には、営業所の要件だけでなく、専任宅建士についても事前に確認しておく必要があります。

特に、

「宅建士の資格を持っている人はいるけれど、専任として認められるのかわからない」

「代表者を専任宅建士にできるのか知りたい」

「従業員が何人になったら宅建士を増やす必要があるのかわからない」

といった場合には、申請前に確認しておくと安心です。

専任宅建士の要件を満たしていない状態では、宅建業免許を取得することができません。

開業準備の段階で、誰を専任宅建士として配置するのかを決めておきましょう。


まとめ

専任の宅地建物取引士は、宅建業を営むために事務所ごとに設置が必要な重要な存在です。

ポイントを整理すると、

  • 宅建業の事務所ごとに専任宅建士を置く必要がある
  • 原則として宅建業の従事者5人につき1人以上が必要
  • 「宅建士の資格を持っていること」と「専任宅建士になれること」は同じではない
  • 専任とは、原則としてその事務所に常勤し、専ら宅建業務に従事すること
  • 従事者数の増加や専任宅建士の退職などにより、必要人数を下回る場合がある
  • 専任宅建士の変更が必要になった場合には、速やかに対応することが重要

宅建業免許は、取得して終わりではありません。

専任宅建士の人数や勤務状況についても、営業を続ける中で適切に管理していく必要があります。

行政書士なかじま法務事務所では、宅建業免許の新規申請・更新だけでなく、専任宅建士の変更など、免許取得後の各種変更手続きについてもサポートしております。

「専任宅建士の変更が必要になった」

「新しく宅建士を配置したが、どのような手続きが必要かわからない」

という場合も、お気軽にご相談ください。

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