お役立ちコラム
8.92026
宅建業免許の費用はいくら?開業前に知っておきたい費用の内訳

はじめに
「不動産会社を開業したいけれど、宅建業免許を取るにはいくらかかるのだろう?」
宅建業免許の取得を考え始めたとき、まず気になるのが費用ではないでしょうか。
宅建業免許の申請には、行政庁へ支払う法定費用があります。
しかし、実際に不動産会社を開業する場合には、それ以外にもさまざまな費用が発生します。
特に大きいのが、営業保証金または保証協会に関する費用です。
また、法人で開業する場合には会社設立、事務所の準備、専任宅地建物取引士の確保などにも費用がかかります。
そこでこの記事では、宅建業免許そのものの費用だけではなく、不動産会社を開業する際に、どのような費用を考えておけばよいのかを整理します。
1.宅建業免許の申請手数料
まず、宅建業免許を申請する際に行政庁へ支払う費用があります。
東京都知事免許の場合、新規申請の法定費用は33,000円です。
一方、国土交通大臣免許の場合は90,000円です。
更新についても法定費用が必要となります。
ただし、知事免許と大臣免許のどちらになるかは、事務所を設置する都道府県の数によって決まります。
1つの都道府県内だけに事務所を設置する場合は都道府県知事免許、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣免許となります。
したがって、これから開業する方で、東京都内に本店を設けて営業を始めるのであれば、基本的には東京都知事免許を検討することになります。
2.宅建業免許の申請を行政書士に依頼する費用
宅建業免許の申請は、ご自身で行うこともできます。
しかし、実際の申請では、単に申請書へ必要事項を記入するだけではありません。
例えば、
- 事務所が宅建業の営業所として適切か
- 専任の宅地建物取引士を適切に配置できるか
- 代表者や役員等が欠格要件に該当しないか
- 法人の目的に宅建業が適切に記載されているか
- 必要な証明書を揃えられるか
- 申請書類に不備がないか
などを確認する必要があります。
さらに、申請後に行政庁から確認や補正を求められることもあります。
行政書士へ依頼する場合の報酬は、こうした要件確認、書類収集、書類作成、申請、補正対応などを含めた手続き全体の業務に対する費用です。
当事務所でも、宅建業免許の新規申請・更新・変更届などを承っております。
具体的な料金については、手続きの内容によって異なりますので、詳しくは商品ページをご覧ください。
3.証明書などの取得費用
宅建業免許の申請では、申請者や役員、専任宅建士などについて、さまざまな証明書を準備する必要があります。
例えば、
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 住民票
- 登記事項証明書
などです。
これらはそれぞれ取得するための実費が必要になります。
また、必要書類を自分で集める場合には、役所などへ出向く時間も考えなければなりません。
当事務所では、こうした証明書の取得代行についても対応しています。
「書類を集める時間がない」という場合には、必要なものを確認したうえで、まとめてご依頼いただくことも可能です。
4.開業時に最も大きなポイントとなる「営業保証金」
宅建業を始める際、免許申請費用とは別に、ぜひ知っておきたいのが営業保証金です。
宅建業者には、取引の相手方を保護するため、営業保証金を供託する制度があります。
東京都の場合、主たる事務所については1,000万円、従たる事務所については1か所につき500万円の営業保証金が必要です。
本店1か所だけで営業を始める場合でも1,000万円ですから、開業時の資金として考えると非常に大きな金額です。
「宅建業を始めるには1,000万円必要なのか」
と驚かれる方もいると思います。
しかし、ここにはもう一つの方法があります。
それが宅地建物取引業保証協会への加入です。
5.保証協会に加入する場合はどうなる?
保証協会に加入する場合、宅建業者が自ら1,000万円の営業保証金を供託する代わりに、保証協会を通じて弁済業務保証金制度を利用することができます。
東京都の場合、主たる事務所について必要となる弁済業務保証金分担金は60万円です。
営業保証金1,000万円と比べると、開業時に必要となる資金を大きく抑えられることが分かります。
ただし、
「保証協会なら60万円だけで済む」わけではありません。
実際には、保証協会への加入に伴う入会金や会費など、別途必要となる費用があります。
そのため、開業時の資金計画を考える際には、
営業保証金を自ら供託する場合
と
保証協会に加入する場合
の両方を比較しておくことが大切です。
保証協会の仕組みや、いわゆる「ハトマーク」「ウサギマーク」と呼ばれる団体については、別の記事で詳しく解説しています。
保証協会とは(ハトマーク・ウサギマーク)
6.会社を設立する場合には「法人設立」の費用も必要
これから不動産会社を新しく設立するのであれば、宅建業免許だけではなく、会社そのものを設立するための費用も必要です。
株式会社を設立する場合には、例えば、
- 定款認証に関する費用
- 登録免許税
- 印鑑作成費用
- 司法書士等へ依頼する場合の報酬
などが発生します。
また、すでに会社を経営している場合でも、定款の目的に宅建業を営むことが適切に記載されているか確認が必要になることがあります。
つまり、
「宅建業免許を取得する費用」と「会社を作る費用」は別に考える必要があります。
7.事務所の準備にも費用がかかります
宅建業を営むためには、営業の拠点となる事務所を準備する必要があります。
ここでも、
- 事務所の賃料
- 敷金・礼金
- 内装費
- 机・椅子
- パソコン
- 電話・インターネット
- 看板
- コピー機等
さまざまな費用が発生します。
特に注意したいのが、宅建業の事務所として認められる状態になっているかという点です。
「とりあえず自宅の一室を事務所にすればよい」と考えていても、実際には宅建業の事務所としての独立性などについて確認が必要になる場合があります。
そのため、事務所を借りたり改装したりする前に、宅建業免許の要件を確認しておくことが大切です。
8.専任宅地建物取引士に関する費用
宅建業を営むためには、事務所ごとに一定数の専任宅地建物取引士を設置する必要があります。
自社の社員や役員が専任宅建士として勤務できるのであれば、新たに人を採用する必要はありません。
しかし、専任宅建士を新たに採用する場合には、
- 採用費用
- 給与
- 社会保険等の人件費
なども必要になります。
また、宅地建物取引士の資格登録や勤務先変更など、状況によっては別途手続きが必要になることもあります。
このため、宅建業免許の取得を検討する段階で、「誰を専任宅建士にするのか」を決めておくことが重要です。
9.開業後にも継続して発生する費用があります
宅建業免許を取得して営業を開始した後も、一定期間ごとに費用が発生します。
例えば、
- 宅建業免許の更新
- 保証協会等の会費
- 事務所の賃料
- 人件費
- 広告宣伝費
- 通信費
- 各種システム利用料
などです。
また、会社の役員や所在地、専任宅建士などに変更があれば、変更届などの手続きが必要になることがあります。
そのため、開業資金だけでなく、営業開始後の固定費や手続き費用まで含めて資金計画を立てておくことが大切です。
10.宅建業免許の費用を考えるときのポイント
ここまで見てきたように、不動産会社の開業にはさまざまな費用が発生します。
特に最初に整理しておきたいのは、次の項目です。
① 免許申請にかかる費用
知事免許か大臣免許か、新規か更新かによって異なります。
② 申請手続きを専門家へ依頼する費用
要件確認、書類作成、書類収集、申請など、どこまで依頼するかによって変わります。
③ 営業保証金または保証協会に関する費用
営業保証金を供託するのか、保証協会に加入するのかによって、必要となる資金が大きく変わります。
④ 会社・事務所の準備費用
新会社を設立する場合は会社設立費用、事務所を新たに構える場合は賃料や設備費などが必要です。
⑤ 専任宅建士に関する費用
新たに採用する場合には、人件費も含めて考える必要があります。
⑥ 営業開始後の費用
免許更新、保証協会等の会費、事務所維持費、人件費など、営業を続けるための費用もあります。
まとめ
宅建業免許の費用を考えるときは、「免許を取るための費用」と「不動産会社を開業して営業するための費用」を分けて考えることが大切です。
免許申請そのものにかかる費用は、開業に必要となる費用全体から見ると一部分です。
特に開業時には、
営業保証金を供託するのか、保証協会に加入するのか
によって必要となる資金が大きく変わります。
さらに、会社設立、事務所、専任宅建士、必要書類などについても、それぞれ費用を見込んでおく必要があります。
これから不動産会社を開業する方は、免許申請だけを考えるのではなく、「営業開始までに何にいくら必要なのか」を一つずつ整理しておくと安心です。
行政書士なかじま法務事務所では、宅建業免許の新規申請・更新・変更届のほか、保証協会の入会手続きや宅地建物取引士に関する手続き、必要書類の取得代行なども承っております。
現在の状況をお伺いしたうえで、必要となる手続きや費用をご案内いたします。
「これから不動産会社を始めたいけれど、何から準備すればよいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
当事務所の具体的な報酬やサポート内容については、こちらをご覧ください。
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