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東京都で建設会社を設立して建設業許可を取得するためには

この記事では、東京都で建設会社を設立して、建設業許可を取得するための流れについて解説していきます。 これから会社を独立して建設会社を設立する方、いままで個人事業主としてやってきた方が事業を法人化する(法人成り)もおられると思います。いずれにしても、会社を設立しても建設業許可を取得できなければ意味がありません。

  1. 会社の設立

    建設業許可を取得するためには、会社設立の際に定款の事業目的に、建設業許可の29業種のうち、取得したい業種を明確に記載する必要があります。

    具体的には、以下のようになります。

    • 内装工事の建設業許可を取得したい場合:
      • 定款:内装工事の請負及び施工
      • 登記簿謄本:内装工事の請負及び施工
    • 解体工事の建設業許可を取得したい場合:
      • 定款:解体工事の請負及び施工
      • 登記簿謄本:解体工事の請負及び施工

    また、事業目的の記載は、建設業許可を申請する際にチェックされるため、必ず明確に記載するようにしてください。曖昧な記載や、建設業許可の29業種に該当しない記載は、建設業許可の取得を拒否される可能性があります。

    なお、事業目的の記載は、会社設立後に変更することも可能です。ただし、変更する場合は、株主総会の決議が必要となり、手続きに時間と費用がかかります。そのため、会社設立の際に、将来的に取得したい建設業許可の業種をすべて記載しておくことが望ましいです。

  2. 資本金の額

    建設業の会社設立をする場合、資本金の額は500万円以上であることが望ましいです。

    資本金の額は、建設業許可の財産的基礎要件の一つであり、一般建設業許可の場合は、資本金500万円以上または自己資本500万円以上、特定建設業許可の場合は、資本金2,000万円以上または自己資本4,000万円以上という要件があります。

    会社設立後、決算を迎えて財務諸表を提出する場合は、財務諸表のうちの貸借対照表の純資産額を確認されます。まだ、会社設立して1期目を終えてない会社は、登記簿謄本に記載されている資本金の額を確認されます。

    もし、資本金が500万円以上ない場合は、500万円以上の預金残高証明書を出す必要があります。預金残高証明書は、金融機関が発行する書類であり、口座の残高がいくらあるかを証明するものです。

    許可を申請する際に、500万円以上の預金残高証明書を出すよりも、最初から会社設立の際に資本金を500万円以上にしておいた方が良いと思われます。その理由は、以下のとおりです。

    • 預金残高証明書は、銀行の窓口に出向いて取得する必要があります。
    • 預金残高証明書は、有効期限が1ヶ月程度なので、申請の都度、取得する必要があります。

    また、資本金の額は、建設業許可の取得後も、経営基盤の安定性や財務状況の健全性を示す指標として、重要な要素となります。そのため、最初から資本金を500万円以上にしておくことで、建設業許可の取得後も、より安定した経営を実現しやすくなると考えられます。

  3. 本店所在地

    建設業許可を取得する際には、営業所の写真を撮って、許可申請書に写真を添付して提出する必要があります。

    その際に、自宅兼事務所の場合、自宅の住居部分と建設会社の営業所部分が別個に独立していないと許可を取得することはできません。

    たとえば、ワンルームマンションなどに住んでいる場合、そこを営業所にすることが東京都の建設業許可を取得する際には認められていません。

    会社を設立する際に初期費用を抑えたいという理由で、自宅を営業所として登記する際には、次のような注意が必要です。

    • 自宅の一室を営業所にするなど、住居部分と営業所部分が明確に区切られていること。
    • 営業所部分に、机、椅子、電話、パソコンなどの必要な設備が整っていること。
    • 営業所部分に、建設業の請負契約締結等の実体的な業務を行っていることがわかる資料を用意しておくこと。

    具体的には、以下のようなものが挙げられます。

    • 営業所部分の写真を撮っておく。
    • 営業所部分のレイアウト図を作成しておく。
    • 営業所部分で使用する設備のリストを作成しておく。
    • 建設業の請負契約書の写しなどを用意しておく。

    これらの資料を準備しておくことで、営業所が建設業許可の要件を満たしていることを証明しやすくなります。

    なお、自宅兼事務所で建設業許可を取得する際には、申請の段階で、建設業許可に詳しい行政書士に相談することをおすすめします。

  4. 会社設立後

    法人を設立した後は、年金事務所に社会保険の加入の手続き、ハローワークに雇用保険の加入手続きを行う必要があります。 また、税務署に法人設立届を出さなければなりません。建設業許可を取得する際には、都税事務所に提出した法人設立届が必要となります。

以上のように、建設業許可取得と会社設立手続きは密接な関係にあります。

万が一、会社設立手続きの段階で、目的の記載が不完全であったり、資本金が500万円を下回っていた、または自宅を本店所在地として登記したという場合、後々、建設業許可を取得する際に修正や追加書類が必要になる可能性が高くなります。

よって、会社を設立する段階から建設業許可を取得するということを念頭において手続きを進めていく必要があります。

その際には、建設業許可を専門としている行政書士に会社設立手続きの段階から依頼することをお勧めいたします。

弊所では、会社設立の登記については司法書士に、年金事務所・ハローワークの手続きについては社会保険労務士にお取次ぎしております。

当事務所では、建設業許可の申請のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。

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