お役立ちコラム
8.122026
宅建業免許の変更届とは?変更が必要なケース・期限・手続き

はじめに
宅建業免許を取得した後、会社や事務所の状況に変更があった場合には、「変更届」が必要になることがあります。
例えば、
「代表取締役が交代した」
「役員が新しく就任した」
「事務所を移転した」
「専任の宅地建物取引士が退職した」
といったケースです。
会社の登記を変更したからといって、宅建業免許の登録内容まで自動的に変更されるわけではありません。
宅建業者名簿に登録されている事項に変更が生じた場合には、宅建業法に基づいて別途変更届を提出する必要があります。
この記事では、宅建業免許の変更届が必要になる主なケース、提出期限、必要書類や手続き上の注意点について解説します。
1.宅建業免許の変更届とは?
宅建業者については、免許行政庁に「宅地建物取引業者名簿」が備えられ、商号、代表者、役員、事務所、専任の宅地建物取引士などの情報が登録されています。
これらの登録事項に変更が生じた場合には、変更があった日から30日以内に変更届を提出しなければなりません。宅地建物取引業法第9条に定められている手続きです。
宅建業免許は一度取得すれば、その後は何も手続きがいらないというものではありません。
会社の状況が変わった場合には、宅建業免許についても変更手続きが必要かどうかを確認することが大切です。
2.どのような変更で届出が必要?
主な変更事項は、次のとおりです。
| 変更内容 | 主な例 |
|---|---|
| 商号・名称 | 株式会社○○不動産から株式会社△△へ変更 |
| 代表者 | 代表取締役の交代 |
| 法人の役員 | 取締役・監査役等の就任、退任など |
| 事務所 | 名称変更、所在地変更、新設、廃止など |
| 政令で定める使用人 | 支店長等の就任・退任など |
| 専任の宅地建物取引士 | 就任・退任・交代など |
国土交通省の変更届出書も、商号・名称、代表者、役員、事務所、政令で定める使用人、専任の宅地建物取引士などを変更届の対象として整理しています。
変更内容によって提出する書類は異なります。
そのため、「変更届」という一つの手続きであっても、変更内容によって準備の手間は大きく変わります。
3.会社の登記変更だけでは終わりません
法人の場合、代表者、役員、本店所在地、商号などを変更すると、法務局での変更登記が必要になることがあります。
ここで注意したいのが、会社の変更登記と宅建業免許の変更届は別の手続きだということです。
例えば、代表取締役が交代した場合、
- 法人の代表者変更登記
- 宅建業免許の代表者変更届
というそれぞれの手続きが必要になります。
法務局で変更登記をしたことで、免許行政庁の宅建業者名簿まで自動的に書き換えられるわけではありません。
そのため、会社の登記事項を変更した場合には、
「宅建業免許についても変更届が必要ではないか?」
という視点で確認することが重要です。
4.変更届は「30日以内」
宅建業免許の変更届で特に注意したいのが、提出期限です。
変更が生じた場合には、原則として変更の日から30日以内に届け出る必要があります。
例えば、役員変更の場合には、「変更登記が完了した日から30日」と考えるのではなく、変更年月日を正しく確認する必要があります。
国土交通省の変更届出手引でも、法人の代表者等については、変更年月日を登記事項証明書に記載された就退任日と合わせるよう案内されています。
登記完了を待ってから宅建業の変更手続きを準備すると、思った以上に時間がなくなっている場合があります。
変更が決まった段階で、必要な手続きを整理しておくことをおすすめします。
5.変更内容によって必要書類は大きく違う
変更届では、変更内容に応じて添付書類も変わります。
例えば、役員変更であれば、
- 登記事項証明書
- 略歴書
- 誓約書
- 身分関係の証明書類
などが必要になる場合があります。
事務所を移転する場合には、
- 事務所を使用する権原を確認する書類
- 事務所付近の地図
- 平面図
- 事務所の写真
など、事務所の実態を確認する資料が必要になることがあります。
専任宅建士の変更では、宅地建物取引士証の写しや、専任性を確認するための資料などが必要になる場合があります。国土交通省の変更届関係資料でも、変更内容ごとに異なる添付書類が定められています。
つまり、変更届は「1枚の届出書を書けば終わり」という手続きではありません。
6.専任宅建士の変更では、宅建士本人の手続きにも注意
専任の宅地建物取引士が退職したり、新しい宅建士が就任したりした場合には、宅建業者側で専任宅建士の変更届を行います。
さらに、勤務先などの登録事項に変更が生じた宅建士本人についても、宅地建物取引士資格登録簿の変更登録が必要になる場合があります。
つまり、会社側の宅建業免許の変更届と宅建士本人の資格登録に関する変更手続きは、それぞれ確認する必要があります。
また、専任宅建士が退職することで、事務所に必要な専任宅建士の人数を満たさなくなる場合には、単に退任の届出をすればよいわけではありません。
新たな専任宅建士を確保し、宅建業法上の設置要件を満たす必要があります。
専任宅建士の人数や専任性については、「専任の宅地建物取引士とは」の記事でも詳しく解説しています。
7.事務所の変更は特に注意が必要
事務所の移転、新設、廃止を行う場合には、変更後も宅建業の事務所としての要件を満たしているか確認する必要があります。
例えば事務所を移転する場合、
「会社の本店移転登記をしたから、そのまま宅建業の事務所も移転できる」
とは限りません。
新しい事務所について、宅建業を営むための独立性や使用権原などを確認したうえで手続きを進める必要があります。
特に、賃貸物件を新しく事務所として使用する場合には、契約をして移転を完了してから問題が判明することがないよう、事前に宅建業の事務所要件を確認しておくことが重要です。
8.事務所の変更によっては「変更届」では済まない
事務所に関する変更では、もう一つ注意すべき点があります。
事務所を新設・移転・廃止することによって、免許区分そのものが変わる場合です。
例えば、
- 1つの都道府県内だけに事務所を持つ知事免許の業者が、他の都道府県にも事務所を設置する
- 国土交通大臣免許の業者が他県の事務所をすべて廃止し、1つの都道府県だけで営業する
- 知事免許の業者が現在の都道府県の事務所を廃止し、別の都道府県だけに事務所を設置する
といったケースでは、単なる変更届ではなく、「免許換え」の手続きが必要になります。宅地建物取引業法第7条でも、このような場合には新たな免許を受ける仕組みが定められています。
事務所を増やしたり移転したりする場合には、
「変更届でよいのか」
「免許換えが必要なのか」
を事前に確認することが大切です。
9.変更届を出し忘れていた場合は?
宅建業を長く続けていると、
「以前役員が変わったが、宅建業の変更届を出した記憶がない」
ということが更新申請の準備などで判明することがあります。
変更届の期限を過ぎているからといって、そのまま放置してよいわけではありません。
まず現在の宅建業者名簿の内容と会社の現況を確認し、未届の変更事項を整理したうえで、申請先へ必要な手続きを確認することになります。
変更の届出を怠ることは宅建業法上の問題となりますので、「次の更新時にまとめて直せばよい」と考えず、気付いた時点で対応することが大切です。宅建業法第9条は変更届を30日以内と定めています。
10.変更が重なると手続きは複雑になります
宅建業免許の変更は、一つだけとは限りません。
例えば、
「本店を移転し、同時に代表者が変わった」
「役員が交代し、専任宅建士も変更した」
「支店を新設し、政令で定める使用人と専任宅建士を配置した」
ということもあります。
このような場合には、必要な変更事項をすべて整理し、それぞれに必要な添付書類を準備する必要があります。
変更届は、変更内容によっては新規免許申請に近い量の資料を準備することもあります。
そのため、複数の変更が同時に発生する場合には、早めに手続きを整理しておくことをおすすめします。
まとめ
宅建業免許を取得した後も、会社や事務所の状況が変われば、変更届が必要になることがあります。
特に、
- 商号・名称
- 代表者・役員
- 事務所
- 政令で定める使用人
- 専任の宅地建物取引士
などの変更があった場合には、宅建業免許についての手続きを確認する必要があります。
また、会社の変更登記を済ませただけでは、宅建業免許の変更手続きは完了しません。
さらに、専任宅建士については本人の資格登録に関する手続き、事務所については免許換えの要否など、変更内容によって関連する手続きが増えることがあります。
行政書士なかじま法務事務所では、宅建業免許の各種変更届についてもサポートしております。
「この変更は届出が必要なのかわからない」
「役員や専任宅建士が複数変わったので、必要な手続きを整理したい」
「事務所を移転・新設したい」
という場合も、お気軽にご相談ください。
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