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住宅用太陽光のFIT新規認定申請|施工会社が申請前に確認したい資料と手順

新築住宅への太陽光発電設備の設置では、設計、電力会社への申込み、住宅の引渡し、FIT認定申請が並行して進みます。担当者が異なるため、申請の段階で「売電する人の名義が違う」「パネルの型式が変更されている」「新築建物の資料がそろっていない」と判明することがあります。

FITの新規認定申請を円滑に進めるには、申請画面に入力する直前よりも、施主・設備・接続・建物の情報を、いつ誰が確定させるかが大切です。この記事では、施工会社側で使える確認の順序を整理します。

まず確認したい、FIT認定と電力会社の手続の違い

FITを利用する場合、電力会社との系統接続に関する手続と、国による再生可能エネルギー発電事業計画の認定が必要です。電力会社へ接続を申し込んだだけで、FITの認定申請が完了するわけではありません。

また、認定申請には、電力会社が発行する「接続の同意を証する書類」が必要です。電力会社への申込みからその書類の取得までにも時間を要するため、住宅の引渡し日から逆算する際は、この工程を独立して管理してください。

申請前の確認は、次の順序で進める

以下は、施主が発電事業者となる一般的な住宅案件を想定した、実務上の進め方です。

  1. 契約・設計段階: 誰が発電事業者となるか、設備を設置する建物はどれかを確認する。
  2. 設備仕様の確定時: パネルとパワーコンディショナの型式・数量、蓄電池の有無を確認する。
  3. 電力会社の回答後: 接続同意書類を取得し、名義や設置場所などを照合する。
  4. FIT申請の準備時: 建物関係資料、委任関係、施主の連絡先を確認する。
  5. 電子申請の登録後: 施主による申請内容の確認・承諾が完了したか確認する。

資料がすべてそろうまで相談を控える必要はありません。新築で登記が未了、建物が共有、施主と建物所有者が異なるといった事情が分かった時点で、必要資料を個別に確認しておくと手戻りを減らせます。

1.施主の名義を最初に確定する

最初に決めるのは、誰の名義でFIT認定を受けるかです。住宅の契約者、建物所有者、電力会社との契約名義人が、当然に同じ人とは限りません。

特に、新築住宅では夫婦共有の予定なのに電力会社への申込みを一方の名義で進めている、ということがあります。施主に確認する際は「太陽光の契約者は誰ですか」だけで済ませず、次の点を分けて確認します。

  • FITの発電事業者となる人
  • 電力会社との売電関係の名義人
  • 太陽光設備を設置する建物の権利者
  • 申請内容を確認できる施主のメールアドレス

名義や権利関係が異なる場合、直ちに申請できないと決めつける必要はありません。ただし、使用権原を示す資料などが必要になることがあるため、相違があることを申請担当者へ先に伝えるのが重要です。

2.設備資料は「最終仕様」でそろえる

見積書に記載された当初の仕様と、実際に施工する仕様が異なることがあります。FIT申請用には、最終的に採用する次の情報を確認してください。

  • 太陽光パネルのメーカー、型式、枚数
  • パワーコンディショナのメーカー、型式、台数
  • 申請する発電設備の出力
  • 蓄電池の有無と、その設備構成
  • 構造や配線が申請システムの標準図と異なるか

資料の名称が「パネル割付図」であること自体が目的ではありません。申請する型式・数量・設備構成を確認できる施工資料を、設計担当者から受け取ることが大切です。

仕様変更が生じたときは、FIT申請担当者と電力申請担当者の双方に変更内容を共有してください。標準図と異なる構成では、実際の構造図・配線図などが必要になる場合があります。

3.電力会社の接続同意書類と申請情報を照合する

電力会社から書類を受け取ったら、そのままFIT申請担当者へ転送するだけでなく、少なくとも名義、設置場所、設備に関する記載を確認します。

接続同意書類と電子申請の入力内容が食い違うと、不備や補正につながります。電力会社ごとに書類の名称や様式が異なるため、書類の表題だけで判断せず、「接続の同意を証する書類」に該当するものか確認してください。

設計変更や施主名義の変更が電力会社への申込み後に生じた場合は、FIT申請だけを新しい情報に直して進めるのではなく、電力会社側の手続にも変更が必要か確認します。

4.建物の資料は「登記済みか」で分ける

屋根に設備を設置する場合、建物について使用する権利があることを示す資料を確認します。ここで重要なのは、新築か既存住宅かに加えて、申請時点で建物の表題登記が完了しているかです。

  • 登記が完了している場合: 建物の登記簿謄本を確認する。
  • 新築で表題登記が未了の場合: 建築確認済証の写しと、売買契約書または請負契約書の写しを確認する。

登記が未了の場合は、建築確認済証と契約書類の双方を用意する扱いです。「確認済証だけあればよい」と思い込まないよう注意が必要です。また、建物の権利者とFIT申請者が異なる案件では、使用権原を示す追加資料を確認します。

登記簿謄本を使う場合、発行時期にも注意してください。取得が早すぎると申請時に取り直しとなることがあります。登記情報提供サービスから取得したデータの写しは、求められる証明書の代わりにはなりません。

5.電子申請後の「施主の承諾」まで予定に入れる

申請担当者が電子申請システムへ情報を登録しても、それだけで手続がすべて進むわけではありません。通常の申請では、施主による申請内容の確認・承諾が必要です。

施工会社から施主へは、あらかじめ次のように伝えておくと円滑です。

FIT認定申請の登録後、申請内容をご確認いただくための案内が届きます。メールを受信したら、氏名や設備の設置場所などをご確認のうえ、案内に従って承諾手続をお願いします。届かない場合や内容に相違がある場合は、施工担当者へご連絡ください。

施主がメールを見落とすと、施工会社側では「申請を済ませた」つもりでも、審査へ進むまでに時間が空くおそれがあります。申請担当者は登録後の状態も確認し、施主の承諾が完了したかまで追跡しましょう。

補正を減らすための、引継ぎ時の確認票

施工会社内、または外部の申請担当者へ案件を引き継ぐ際は、資料を添付するだけでなく、次の項目を一枚にまとめておくと確認しやすくなります。

  • 施主・FIT発電事業者の氏名と連絡先
  • 電力会社側の契約名義、接続同意書類の取得状況
  • 設置場所の所在地と、新築・既存住宅の別
  • 建物登記の完了状況、共有者や所有者との相違の有無
  • パネル・パワーコンディショナの最終仕様
  • 蓄電池の有無、標準図と異なる構成の有無
  • 施工予定日、引渡し予定日
  • 未確定事項と、それを確定する担当者・予定日

「未確定」の項目を空欄にしないこともポイントです。たとえば「パワーコンディショナの型式は発注後に確定、設計担当が○日までに連絡」と記載すれば、古い見積書の型式を申請に使う事故を防ぎやすくなります。

よくある質問

電力会社への申込みが済んでいれば、FIT認定申請を進められますか?

申込みをした事実だけでは足りません。認定申請には、電力会社から発行される接続の同意を証する書類が必要です。取得時期を電力申請担当者へ確認してください。

新築で、まだ建物の登記が終わっていません。引渡し後まで待つ必要がありますか?

登記未了の新築建物については、建築確認済証の写しと売買契約書または請負契約書の写しによる確認方法が示されています。ただし、申請者と書類上の権利者が異なるなど、個別事情によって追加資料を検討する必要があります。

住宅の引渡し日までに認定されますか?

認定時期を確約することはできません。電力会社の接続同意書類の取得、施主の承諾、不備があった場合の補正にも時間がかかります。引渡し日が決まっている案件ほど、設計確定を待つだけでなく、名義と建物の権利関係を早めに確認してください。

施工会社のFIT申請は、案件ごとの情報整理から

FIT新規認定申請では、施工会社、施主、電力会社、申請担当者がそれぞれ持つ情報を一致させる必要があります。継続して住宅用太陽光を扱う会社では、案件ごとに一から確認するよりも、受付項目と資料の受渡し方法を決めておくことが有効です。

行政書士なかじま法務事務所では、10kW未満の太陽光発電設備について、FIT新規認定申請の代行に対応しています。個別案件で必要な資料や、継続案件の引継ぎ方法については、以下からご相談ください。

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本記事は施主が発電事業者となる一般的な住宅用設備を想定しています。建物の共有、屋根の貸借、PPAなどは権利関係や必要資料が異なるため、案件ごとに確認が必要です。

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