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11.32026
太陽光発電のFIT名義変更|住宅の売買・相続で必要な手続き
中古住宅を購入した、あるいは太陽光発電設備のある住宅を相続したとき、「売電の名義も変更したい」と考える方は多いと思います。
しかし、住宅の所有権移転登記を済ませても、FIT制度上の認定事業者や電力会社との売電契約が自動的に変更されるわけではありません。また、一般に「FITの名義変更」と呼ばれる手続きも、住宅の売買による譲渡なのか、相続なのかによって種類が異なります。
この記事では、主に10kW未満の住宅用太陽光発電設備について、売買・相続の際に確認したい手続きと資料を解説します。
まず確認したい「二つの名義」
太陽光発電設備を引き継ぐときは、少なくとも次の二つを分けて確認します。
- FIT制度上の認定事業者
国から認定を受けた発電事業計画上の事業者です。売買や相続で事業者が変わる場合、変更内容に応じた申請・届出が必要です。 - 電力会社との売電契約の名義
売電先との契約や売電代金の受取先に関する手続きです。FIT制度上の変更手続きとは別に、契約先の電力会社への確認が必要です。
例えば、太陽光発電設備付きの中古住宅を購入し、電力会社への連絡だけを済ませても、FITの認定事業者が前所有者のままということがあり得ます。反対に、FITの変更手続きを進めた後も、電力会社への必要な資料提出が残る場合があります。
住宅を売買した場合のFIT名義変更
太陽光発電設備と発電事業を売主から買主へ譲る場合、事業譲渡等に関する変更認定申請を検討します。変更する項目によっては、別途、事後変更届出も必要です。一つの申請にすべての変更を含められるとは限らないため、現状の認定内容と変更予定の項目を先に整理します。
売買契約書に太陽光発電設備が含まれているか
特に注意したいのが、売買の対象です。
資源エネルギー庁の整理表では、事業譲渡の際、太陽光パネルを建物とは別に明示することが求められています。住宅の売買契約書に「建物を売買する」とだけ書かれている場合、発電設備や発電事業の譲渡を確認できるかが問題になります。
売買前であれば、住宅に設置された太陽光パネルなどの設備と、売電に関する権利・契約をどう引き継ぐかを、契約書類の作成段階で確認しておくことが大切です。すでに売買を終えている場合は、契約書や引渡し時の資料を確認し、追加で何を示す必要があるか検討します。
主な確認資料
事業譲渡では、譲渡契約書または譲渡証明書、新旧事業者の本人確認に関する資料、印鑑証明書、土地の利用・取得関係を示す資料などが基本資料として挙げられています。案件によっては、事業実施体制図なども必要です。
必要書類は、売主・買主が個人か法人か、土地と建物の関係、同時に変更する設備情報などによって変わります。契約書だけを用意して申請できると決めつけず、認定内容と最新の整理表を照らし合わせて確認します。
相続した場合のFIT名義変更
認定事業者が亡くなり、相続人が発電事業を引き継ぐ場合、事業者の変更は事後変更届出の対象です。売買による譲渡と同じ申請方法ではありません。
例えば、父親名義でFIT認定を受けていた住宅を子が相続する場合、住宅を誰が取得するかだけでなく、太陽光発電設備を誰が引き継いだかを確認する必要があります。
遺産分割協議書の記載を確認する
資源エネルギー庁の整理表では、相続対象に発電設備が含まれていることを確認できる資料が求められています。遺産分割協議書に住宅の土地・建物しか記載されておらず、太陽光発電設備について読み取れない場合は注意が必要です。
遺産分割協議書をこれから作成する段階なら、太陽光発電設備と発電事業を誰が取得するかを、他の相続財産と併せて検討すると手続きが進めやすくなります。すでに協議書を作成している場合は、その記載と他の資料で確認できる内容を調べます。
主な確認資料
相続による変更では、被相続人と法定相続人の関係を示す戸籍関係書類、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書または相続人全員の同意書、土地の取得を示す資料などが整理表に挙げられています。一定の場合には法定相続情報一覧図を戸籍関係書類に代えて利用できます。
実際に何を揃えるかは、相続人の構成、遺言の有無、遺産分割の内容などを確認して判断します。
電力会社との売電契約も別に確認する
FITの変更認定や変更届出が済めば、それだけで電力会社との手続きまで完了するとは限りません。
FITの変更に伴って電力会社との契約変更が必要な場合、変更認定通知書の写し、または変更届出の受理日が分かる資料などを電力会社へ提出します。必要な連絡先や手順は、現在の売電契約先にも確認してください。
売電代金の振込先を変更したい場合も、FITの認定事業者、売電契約者、振込口座の名義がそれぞれどうなっているかを整理しておくと、確認すべき事項が明確になります。
手続きはどのように進める?
一般的には、次の順序で確認します。
- 設備と認定の情報を確認する
設備ID、認定事業者、設備の所在地・出力、売電先などを確認します。 - 名義変更の理由と資料を確認する
売買、相続、生前贈与など、どのような事情で誰が設備を引き継ぐのかを整理します。 - 必要な申請・届出を判定する
事業者の変更に加え、住所や設備情報など、ほかに変更する項目がないか確認します。 - 必要書類を揃えて手続きを行う
契約書・相続関係書類などを確認し、必要に応じて委任状を準備して申請・届出を進めます。 - 電力会社の手続きを確認する
FITの変更結果を踏まえ、売電契約や振込先について必要な手続きを進めます。
運転開始後、初めてFITの変更手続きを行う設備では、売電の開始日が分かる電力会社の書類等が必要とされます。古い設備ほど、認定通知書だけでなく、過去の売電関係資料も探しておくと役立ちます。
よくあるご質問
設備IDや認定通知書が見つからなくても相談できますか?
はい。まずは、設備の所在地、現在の所有者・以前の所有者、売電先、手元にある契約書や売電関係資料を確認します。ただし、認定情報の特定や申請に必要な情報の確認に時間を要する場合があります。
住宅の売買や相続を終えた後でも手続きできますか?
まずは現状を確認することになります。売買契約書や遺産分割協議書に発電設備がどう記載されているか、FIT上の認定事業者と電力会社の契約者が誰になっているかによって、必要な対応が異なります。すでに手続きが済んでいないことに気づいた場合は、そのままにせず確認することをおすすめします。
FITの買取期間が終わっていれば手続きは不要ですか?
買取期間が終わっているという理由だけで、一律に不要とは判断できません。資源エネルギー庁の整理表では、期間終了後の事業計画であっても、事後変更届出に該当する場合の取扱いが示されています。まず、認定と契約の現在の状況を確認します。
FITの名義変更は、資料と現在の登録状況から確認します
「太陽光付きの住宅を購入した」「親の住宅と太陽光発電設備を相続した」という場合、必要なのは、書類の名称だけを見て申請することではありません。何が誰から誰へ移ったのか、FIT上で現在誰が認定事業者なのか、電力会社との契約がどうなっているのかを揃えて確認することが出発点です。
行政書士なかじま法務事務所では、資料と認定状況を確認したうえで、必要なFIT申請・届出の範囲とお見積りをご案内します。書類がすべて揃っていない段階でも、分かる範囲で状況をお知らせください。
新たに太陽光発電設備を設置する事業者様は、FIT新規認定申請代行のご案内もご覧ください。
参考資料
※この記事は住宅用の10kW未満の太陽光発電設備を主に想定した一般的な説明です。実際の手続区分と提出資料は、認定内容や変更する項目に応じて確認します。
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