7.52026
医療法人設立費用はいくらかかる?費用の内訳と見積り時のポイント

はじめに
医療法人設立を検討する際、多くの院長先生が気になるのが「設立に総額でいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。
医療法人の設立では、都道府県に対する設立認可申請だけでなく、認可後の法人設立登記、個人診療所の廃止・法人診療所の開設、厚生局への手続きなどを順番に進める必要があります。
そのため、行政書士報酬だけを確認しても、設立に必要な費用の全体像を把握することはできません。
この記事では、医療法人設立に必要となる主な費用、見積りを比較するときの注意点、設立後に発生する費用について解説します。
医療法人設立には、どのような費用がかかるのか
医療法人設立に必要となる費用は、主に次の5つです。
- 医療法人設立認可申請に関する行政書士報酬
- 法人設立登記に関する司法書士報酬
- 証明書の取得費用や法人印の作成費用
- 認可後の保健所・厚生局等への手続きに関する費用
- 税理士・社会保険労務士等へ依頼する場合の報酬
設立する都道府県、診療所の数、役員構成、拠出財産、借入金、リース契約などによって、必要な作業と費用が異なります。
見積りを確認するときは、金額だけでなく「その報酬にどの業務が含まれているか」を確認することが重要です。
1.医療法人設立認可申請に関する行政書士報酬
医療法人を設立するためには、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受ける必要があります。
行政書士へ設立認可申請を依頼する場合、一般的には次のような業務が報酬に含まれます。
- 医療法人化に関する初回相談
- 設立時期と申請日程の確認
- 設立スケジュールの作成
- 社員・役員構成の整理
- 拠出財産、借入金、リース契約等の確認
- 必要資料の案内
- 定款、設立趣意書、議事録等の作成
- 事業計画書、予算書、財産目録等の作成
- 行政庁との事前協議・事前審査への対応
- 医療法人設立認可申請
- 行政庁から求められた補正への対応
- 認可後に必要となる手続きの整理
ただし、どこまでが基本報酬に含まれるかは、行政書士事務所によって異なります。
見積りを比較する際には、行政庁との事前協議や補正対応が含まれているか、認可後の手続きをどこまで支援してもらえるかを確認しましょう。
2.法人設立登記に関する司法書士報酬
医療法人は、都道府県から設立認可を受けただけでは成立しません。
認可後、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記を行うことによって、医療法人が成立します。
登記申請を司法書士へ依頼する場合は、行政書士報酬とは別に司法書士報酬が必要です。
株式会社などの設立とは異なり、医療法人の設立登記自体には、原則として登録免許税はかかりません。
ただし、個人所有の土地や建物を医療法人へ移転する場合には、所有権移転登記に関する登録免許税、司法書士報酬その他の費用が発生する可能性があります。
不動産を拠出する場合は、設立登記とは分けて確認する必要があります。
3.証明書取得費用・法人印作成費用
医療法人設立認可申請では、案件の内容に応じて次のような資料を準備します。
- 個人の印鑑登録証明書
- 土地・建物の登記事項証明書
- 預金残高証明書
- 借入金に関する契約書や返済予定表
- 医療機器等の契約書・領収書
- 賃貸借契約書
- リース契約書
証明書の発行手数料は一件ごとには大きな金額ではありませんが、複数の社員・役員や不動産が関係する場合には、取得する書類も増えます。
また、法人設立後に使用する法人実印、銀行印、角印などの作成費用も見込んでおく必要があります。
4.認可後の保健所・厚生局等への手続きに関する費用
医療法人の設立認可と設立登記が完了しても、すぐに法人として診療を開始できるわけではありません。
一般的には、次のような手続きを進めます。
- 個人診療所の廃止手続き
- 医療法人による診療所の開設手続き
- 保険医療機関指定に関する厚生局への手続き
- 医療法人の設立登記完了届
- 税務署、都道府県税事務所、市区町村への届出
- 社会保険・労働保険に関する手続き
必要となる手続きは、診療所の状況や所在地によって異なります。
設立認可申請の見積りに、これらの手続きが含まれているとは限りません。認可後の手続きを別途依頼する場合は、行政書士、税理士、社会保険労務士等への報酬が必要になることがあります。
5.契約変更などに伴う費用
個人診療所から医療法人へ移行すると、契約名義の変更や再契約が必要になることがあります。
例えば、次のような契約です。
- 診療所物件の賃貸借契約
- 医療機器のリース契約
- 金融機関からの借入れ
- 電気・ガス・通信等の契約
- 医薬品・医療材料等の取引契約
- 各種保険契約
契約先によっては、名義変更手数料、契約書の再作成費用、保証金その他の費用が発生する可能性があります。
法人化を決める前に、賃貸人、金融機関、リース会社などへ、法人への契約承継が可能か確認しておくことも大切です。
医療法人設立の見積りを確認する5つのポイント
複数の専門家から見積りを取る場合は、金額だけでなく、次の点を確認しましょう。
1.行政庁との事前協議が含まれているか
医療法人設立では、書類を一度提出すれば終わるわけではありません。
自治体によっては、仮申請や事前審査が行われ、内容確認や補正を経て本申請へ進みます。これらへの対応が報酬に含まれているか確認が必要です。
2.補正対応に回数制限があるか
行政庁からの指摘による通常の補正が基本報酬に含まれているのか、一定回数を超えると追加料金になるのかを確認します。
ただし、依頼者側の事情によって設立内容を大幅に変更する場合は、追加報酬が必要になることがあります。
3.認可後の手続きが含まれているか
設立登記、保健所、厚生局、税務署、年金事務所等への手続きについて、誰が担当するのかを明確にしておきます。
「認可申請のみの報酬」なのか、「法人診療開始までの支援を含む報酬」なのかによって、金額は大きく異なります。
4.司法書士等の報酬が含まれているか
行政書士の見積りに、設立登記を担当する司法書士や、税務・社会保険を担当する専門家の報酬が含まれているとは限りません。
専門家ごとに別途見積りとなるのかを確認しましょう。
5.追加料金が発生する条件が明記されているか
分院の追加、不動産の拠出、複数の借入金やリース契約、申請内容の変更などによって、追加作業が必要になることがあります。
どのような場合に追加料金が発生するのか、追加業務を始める前に説明を受けられるのかを確認しておくと安心です。
費用だけで依頼先を決める場合の注意点
医療法人設立の見積額が安くても、行政庁との事前協議、補正対応、認可後の手続きが含まれていなければ、最終的な負担額が増える可能性があります。
また、医療法人設立では、定款、事業計画書、予算書、財産目録、賃貸借契約書、借入金、リース契約等の内容を相互に整合させなければなりません。
依頼先を選ぶ際は、次の点も確認することをおすすめします。
- 医療法人手続きの実務経験
- 医療業界や診療所経営への理解
- 行政庁との事前協議・補正対応の範囲
- 設立後の手続きに関する支援体制
- 司法書士、税理士、社会保険労務士等との連携
- 業務範囲と追加料金の説明が明確であること
費用とサポート内容をセットで比較することが重要です。
医療法人設立後にも継続的な費用がかかります
医療法人は、設立後も継続的な運営手続きが必要です。
例えば、次のような手続きがあります。
- 毎会計年度終了後の事業報告書等の届出
- 役員の改選・変更に関する届出
- 理事長変更に伴う届出・登記
- 登記事項変更登記完了届
- 診療所の追加・移転等に伴う定款変更認可申請
- 医療法人の登記事項の変更
- 経営情報等の報告
これらの手続きを専門家へ依頼する場合は、設立費用とは別に報酬が必要です。
法人化を検討するときは、設立時の費用だけでなく、設立後の税務、社会保険、登記、行政手続きなどの継続的なコストも含めて検討しましょう。
当事務所の医療法人設立サポート料金
行政書士なかじま法務事務所の基本報酬は、次のとおりです。
| 業務内容 | 基本報酬(税込) |
|---|---|
| 初回相談(60分) | 無料 |
| 医療法人設立・法人診療開始サポート | 1,100,000円~ |
基本報酬には、原則として次の業務が含まれます。
- 設立スケジュールの作成
- 必要資料のご案内
- 設立内容の整理
- 定款、設立趣意書、事業計画書、予算書等の作成
- 行政庁との事前協議・事前審査への対応
- 医療法人設立認可申請
- 認可申請に関する補正対応
- 法人設立登記に必要な書類・手続きのご案内
- 設立登記完了後の行政庁への届出
- 個人診療所の廃止届(標準的な案件)
- 法人診療所の開設許可申請・開設届
- 厚生局への保険医療機関指定申請
- 通常の実地検査・補正への対応
次の費用は、基本報酬には含まれません。
- 司法書士による法人設立登記の報酬
- 税理士、社会保険労務士等へ依頼する場合の報酬
- 証明書取得手数料
- 郵送費、交通費その他の実費
- 施設基準届、公費負担医療の指定申請、診療用X線装置・麻薬関係等の追加手続き
- 債務、リース契約、雇用契約その他の承継に通常の範囲を超える検討・調整が必要な場合の追加業務
- 当初のお見積りに含まれていない追加業務の報酬
診療所の数、役員構成、拠出財産、借入金、リース契約、申請内容等によって、報酬額が異なる場合があります。
正式なご依頼前に、対象となる診療所の数、業務範囲と費用を記載したお見積りをご提示します。追加業務が必要になった場合は、事前に内容と費用をご説明します。
よくあるご質問
見積り以外に追加費用が発生することはありますか
当初のお見積りに記載した業務範囲と申請内容に変更がなければ、原則として、お見積りに基づいて業務を進めます。
ただし、診療所や分院の追加、不動産の拠出、設立内容の大幅な変更などにより、当初想定していなかった業務が必要になる場合があります。
追加業務が必要になったときは、作業を開始する前に内容と費用をご説明します。
司法書士への報酬も含まれていますか
法人設立登記は司法書士の業務となるため、司法書士報酬は基本報酬に含まれていません。
当事務所から司法書士をご紹介することも、院長先生が既に依頼している司法書士と連携することも可能です。
設立登記には登録免許税がかかりますか
医療法人の設立登記自体には、原則として登録免許税はかかりません。
ただし、不動産を医療法人へ移転する場合の所有権移転登記などには、登録免許税等が発生する可能性があります。具体的な費用は、司法書士や税理士に確認する必要があります。
認可後の保健所・厚生局の手続きも依頼できますか
対応可能です。
当事務所の医療法人設立・法人診療開始サポートには、標準的な個人診療所の廃止、法人診療所の開設許可申請・開設届、保険医療機関指定申請、通常の実地検査・補正対応を含みます。施設基準届などの追加手続きは別途お見積りします。
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医療法人設立をご検討中の院長先生へ
医療法人設立では、費用がいくらかかるかだけでなく、その費用にどこまでの業務が含まれているかを確認することが重要です。
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