お役立ちコラム
12.192024
配偶者居住権とは?

これを読めばスッキリ!「配偶者居住権」とは?住み慣れた家を守るためのよくある質問
「もしも、夫に先立たれたら…」 「妻が亡くなった後、この家に一人で住み続けられるのだろうか…」 人生のパートナーと築き上げた我が家。愛する人が亡くなった後も、住み慣れた家で思い出と共に暮らしたいと願うのは当然のことです。
行政書士なかじま法務事務所 代表の中島英貴です。 当事務所のご相談でも、「自宅の相続」に関する不安のお声は非常に多く寄せられます。現実の相続では、家を誰が継ぐかで揉めてしまい、泣く泣く家を売却したり、他の親族と住むことを余儀なくされたりするケースも少なくありません。
そんな不安を解消し、残されたパートナーを守るために新しくできたのが「配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)」という権利です。今回は、この制度の仕組みやメリットについて、専門用語を極力使わずに分かりやすく解説いたします。
1. はじめに:配偶者居住権とは? ~大切な住まいを守る権利~
配偶者居住権とは、簡単に言うと「夫婦の一方が亡くなった後、家の名義(所有権)が他の人になっても、残された配偶者がそのまま家に住み続けることができる権利」のことです。
例えば、お子様がいないご夫婦で夫が亡くなり、相続人が「妻」と「夫の兄弟」になったとします。 これまでは、妻が家に住み続けるためには、家の「所有権」を丸ごと相続する必要がありました。しかし、家という高額な財産を相続してしまうと、今度は「預貯金」を夫の兄弟に多く渡さなければならず、今後の生活費に困ってしまうという問題がありました。
そこで、家を「所有する権利」と「住む権利(配偶者居住権)」に切り離せるようにしたのがこの制度です。「家の所有権は夫の兄弟(または子ども)に譲るけれど、私は生きている間この家に住む権利をもらい、さらに当面の生活費として預貯金もしっかり受け取る」という、残された配偶者にとって非常に安心な分け方ができるようになりました。
2. 配偶者居住権で得られる3つのメリット
メリット1:住み慣れた家に住み続けられる安心感
何よりも大きなメリットは、住み慣れた環境で安心して生活を続けられることです。高齢になればなるほど、新しい環境への適応は負担になります。この権利があれば、慣れ親しんだ場所で穏やかな老後を過ごすことができます。
メリット2:その後の生活費(預貯金)を確保しやすくなる
先述の通り、家の「所有権」を他の相続人に譲ることで、その分、配偶者は預貯金などの現金を多く相続しやすくなります。医療費や介護費用など、今後の生活に向けた経済的な不安を大きく和らげることができます。
メリット3:相続争いのリスク軽減
「家を誰が継ぐか」は相続トラブルの最大の火種です。配偶者居住権を設定しておけば、「住むのは妻、最終的に家をもらうのは子ども(または親族)」と権利を分けることができるため、住居をめぐる親族間の争いを未然に防ぐことができます。
3. 配偶者居住権にはどんな種類がある?
配偶者居住権には、大きく分けて2つの種類があります。
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普通の配偶者居住権: 配偶者が亡くなるまで(終身)、または「10年間」など遺言や話し合いで定めた期間、住み続けることができる権利です。
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短期配偶者居住権: 遺産分割(誰が何を相続するかの話し合い)が終わるまで、または配偶者が亡くなってから最低6ヶ月間は、無条件で今の家に住み続けることができる権利です。「配偶者が急に家を追い出される」という事態を防ぐためのものです。
4. あなたは該当する?取得するための条件
この権利を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
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婚姻関係: 亡くなった方と法的な夫婦であったこと(※事実婚・内縁関係の場合は対象外となります)。
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居住状況: 相続が発生した時、その建物に一緒に住んでいたこと。
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建物の所有形態: 亡くなった方の単独名義、または夫婦の共有名義の建物であること。
※夫婦が別居していたり、賃貸住宅に住んでいた場合、または家の名義が最初から子どもなど第三者になっていた場合は、この権利を取得することはできません。
5. 配偶者居住権を設定する方法と注意点
配偶者居住権を設定するには、主に以下の方法があります。
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遺言で残す(最もおすすめ): 生前に「妻に配偶者居住権を取得させる」と遺言書に残しておく方法です。争いを未然に防ぐ最も確実な方法です。
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遺産分割協議で決める: 相続人全員の話し合いによって設定します。
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調停・審判: 話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所の手続きを利用します。
権利を設定した後は、第三者(家を買い取った人など)に「私にはここに住む権利がある」と主張できるように、法務局で「登記」をする必要があります。少し複雑な手続きになりますので、専門家と一緒に進めることをおすすめします。
6. 配偶者居住権に関するよくある質問
Q1. 配偶者居住権の期間は、どのように決められますか?
A1. 遺言や遺産分割協議で自由に決めることができます。「亡くなるまで(終身)」とすることもできますし、「10年間」のように区切ることも可能です。
Q2. 途中で老人ホームに入居することになったら、権利を売ることはできますか?
A2. 配偶者居住権は「残された配偶者を守るための専用の権利」ですので、他人に売却したり、譲渡したりすることはできません。
Q3. 設定すると税金はどうなりますか?
A3. 配偶者居住権も財産としての価値(評価額)が計算され、相続税の対象となります。ただし、配偶者の税額軽減特例(最低1億6,000万円まで非課税)を利用できるケースがほとんどですので、過度な心配はいりません。
7. まとめ:未来への安心のために、今できること
配偶者居住権は、残されたパートナーの「住まい」と「生活費」の両方を守ることができる、非常に優れた制度です。特に「子どもがいないご夫婦」や「先妻との間にお子様がいるご夫婦」にとっては、将来のトラブルを防ぐ強力な切り札になります。
しかし、実際の相続の場面では「自分たちの家族の場合はどう分けるのが一番もめないのか?」という正解は、ご家庭ごとに全く異なります。
行政書士なかじま法務事務所では、まずは、皆様が抱えている不安や、「残される家族にこうしてあげたい」という率直な想いをじっくりとお伺いすることから始めます。長年の現場経験で大切にしてきた「対話」を通じて、一つひとつ頭の中を整理し、ご家族にとって一番安心できる形を一緒に見つけていくお手伝いをさせていただきます。
「うちの場合はこの制度が使えるの?」 「遺言書にどう書けばいい?」 少しでも疑問や不安を感じたら、一人で悩まずにまずはお気軽にご相談ください。、ご指定の場所への出張相談も柔軟に承っております。初回のご相談は無料です。
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