お役立ちコラム

ポケモンカード・トレカの買取・転売に古物商許可は必要?ケース別に解説

トレーディングカードを交換する若者のイメージ

はじめに

「ポケモンカードを転売する場合、古物商許可は必要ですか?」

「自分のコレクションをフリマアプリで売るだけでも許可が必要ですか?」

「未開封BOXや新品のカードなら、古物にはならないのでしょうか?」

ポケモンカードをはじめとするトレーディングカードは、カードショップだけでなく、フリマアプリ、ネットオークション、ECサイトなどでも活発に取引されています。

一方、取引方法が多様であるため、どこから古物商許可が必要になるのか分かりにくい分野でもあります。

許可の要否は、単にカードが開封済みか未開封か、取引金額が高いか安いかだけでは決まりません。

誰から、どのような目的でカードを仕入れ、どのような方法で取引するのかを確認する必要があります。

この記事では、ポケモンカードやトレーディングカードの取引について、古物商許可が必要になるケースと、通常は必要とならないケースを具体的に解説します。


結論:自分のカードを売るのか、販売目的で仕入れるのかが重要です

ポケモンカードを売る場合の基本的な考え方は、次のとおりです。

通常、許可を必要としないケース

自分で遊んだり、収集したりするために購入したカードを、コレクション整理や不要品の処分として売却する場合です。

許可が必要になる可能性が高いケース

個人や中古品市場などからカードを仕入れ、利益を得る目的で継続的に買取り、販売・交換する場合です。

重要なのは、売却するカードの見た目や状態だけではありません。

  • どこから仕入れたのか
  • 購入時の目的は何だったのか
  • 取引を反復・継続して行うのか
  • 利益を得る目的があるのか
  • どのような販売・交換方法を採用するのか

などから総合的に判断されます。

「月に何件まで」「年間売上がいくらまで」といった一律の基準があるわけではありません。


ポケモンカードは古物のどの区分になる?

古物営業法上の古物は、13の区分に分類されています。

ポケモンカードなどのトレーディングカードは、申請実務上、一般的には「道具類」として取り扱われます。

ただし、具体的な商品の区分や申請書への記載方法については、申請先の公安委員会・警察署によって確認が必要になる場合があります。

申請時には、単に「ポケモンカード」とだけ説明するのではなく、

  • トレーディングカードの買取り
  • 店舗での販売
  • インターネット販売
  • カード同士の交換
  • 委託販売

など、予定している取引内容を具体的に説明することが大切です。


ケース1 自分のコレクションを売却する

自分で遊ぶため、または収集するために購入したカードを、コレクション整理として売却する場合は、通常、古物商許可を必要としません。

例えば、次のようなケースです。

  • 子どもの頃から集めていたカードを売る
  • 重複しているカードを整理する
  • 遊ばなくなったカードをまとめて売る
  • コレクションの一部をカードショップへ売る

これは、販売するためにカードを仕入れているのではなく、自分が所有していた物を処分しているためです。

ただし、「自分のコレクション」と説明していても、実際には最初から値上がりや転売を目的として継続的に購入・販売している場合には、古物営業に該当する可能性があります。

名称ではなく、実際の取引内容から判断されます。


ケース2 個人からカードを買い取って転売する

一般の方やコレクターからポケモンカードを買い取り、カードショップ、フリマアプリ、ネットオークションなどで継続的に販売する場合には、原則として古物商許可が必要になります。

例えば、次のような取引です。

  • SNSで買取希望者を募集する
  • 店舗へ持ち込まれたカードを買い取る
  • 宅配でカードを買い取る
  • コレクターからまとめて仕入れる
  • フリマアプリで購入したカードを転売する

カードを買い取った後、まだ販売していない場合でも、販売目的で古物を買い受ける事業を始めるのであれば、許可の要否を確認する必要があります。

「売ってから許可を取ればよい」というものではありません。


ケース3 フリマアプリやネットオークションで仕入れる

メルカリ、Yahoo!オークション、ラクマなどのサービスを利用した取引であっても、古物営業法の対象外になるわけではありません。

フリマアプリ等で一般の利用者からカードを購入し、利益を得る目的で継続的に販売する場合には、古物商許可が必要になる可能性が高いと考えられます。

ここで注意したいのが、仕入先である出品者の確認です。

警視庁は、インターネットオークションやフリマアプリを利用して古物を仕入れる場合でも、古物商には相手方の確認義務があると案内しています。

また、フリマアプリの運営会社が利用者の本人確認を行っていたとしても、それだけで古物商として求められる確認義務を履行したことになるとは限りません。

仕入れに使用するサービスについて、

  • 出品者の住所・氏名等を確認できるか
  • 法令に沿った本人確認ができるか
  • 必要な取引記録を保存できるか

を事前に確認する必要があります。

許可を取得できても、利用する仕入方法では本人確認義務を履行できない可能性があるため、申請前に取引方法まで整理しておくことが重要です。


ケース4 小売店で購入した未開封BOXを転売する

「未開封BOXは新品だから、古物商許可は必要ない」とは一概にいえません。

古物営業法上の古物には、一度使用された物だけでなく、使用されていない物でも、使用する目的でいったん取引されたものが含まれます。

一方、メーカーや正規の卸売業者から、新品の商品として直接仕入れて販売する場合は、通常の新品販売として古物営業に該当しないことがあります。

そのため、未開封BOXを取り扱う場合には、商品の外観だけでなく、仕入れ経路を確認する必要があります。

  • メーカーや卸売業者から仕入れるのか
  • 一般の小売店から購入するのか
  • 一般の消費者から買い取るのか
  • フリマアプリ等で仕入れるのか
  • 最初から転売目的で購入するのか

によって判断が変わる可能性があります。

未開封であることだけを理由に許可不要と判断するのは危険です。具体的な仕入方法を整理し、管轄警察署へ事前に確認することをおすすめします。


ケース5 BOXやパックを開封してシングルカードを販売する

BOXやパックを開封し、レアカードなどをシングルカードとして販売する事業もあります。

この場合も、「開封したかどうか」だけで古物商許可の要否が決まるわけではありません。

確認すべきなのは、開封前の商品をどのような経路で仕入れたのかという点です。

メーカーや卸売業者から新品商品として仕入れた場合と、一般の消費者やフリマアプリ等から仕入れた場合とでは、古物営業法上の判断が異なる可能性があります。

また、一般の方から未開封BOXやシングルカードを買い取り、それを開封・整理して販売する場合には、古物の買取り・販売に該当する可能性が高いと考えられます。

「自分で開封したので新品である」と単純に判断することはできません。


ケース6 カード同士を交換する

古物営業法の対象となる取引は、売買だけではありません。

古物の「交換」を事業として行う場合も、古物営業に該当する可能性があります。

例えば、事業者が利用者からカードを受け取り、別のカードと交換する取引を反復・継続して行う場合です。

一方、友人やコレクター同士が、趣味の範囲で自分のカードを一度交換するような場合まで、直ちに古物商許可が必要になるわけではありません。

確認すべきポイントは、次のとおりです。

  • 自分のコレクション同士の交換か
  • 交換するカードを事業として仕入れているか
  • 交換差額や手数料によって利益を得ているか
  • 取引を反復・継続して行っているか
  • 交換を仲介する事業なのか

「現金で売買しないから許可は不要」とは限りません。

ポケモンカードの「トレード」を事業として行う場合には、実際の仕組みを図や文章に整理し、管轄警察署へ説明して確認することが重要です。


ケース7 カードの委託販売を行う

利用者からカードを預かり、売れた場合に手数料を受け取る委託販売についても、古物営業法が関係する可能性があります。

例えば、次のようなサービスです。

  • カードを預かって店舗で販売する
  • カードを預かってECサイトへ掲載する
  • フリマアプリ等への出品を代行する
  • 販売成立時に売主から手数料を受け取る
  • カードの交換を仲介して手数料を受け取る

古物営業法では、古物の売買・交換だけでなく、売買・交換の委託を受けて行う営業も対象となります。

カードの所有権を自社が取得しない仕組みであっても、直ちに許可不要になるわけではありません。

委託販売や仲介サービスを始める場合には、契約関係、商品の保管方法、代金の流れ、手数料の受け取り方などを整理して判断する必要があります。


ケース8 海外へカードを販売する

国内で一般の方などからポケモンカードを買い取り、海外の利用者へ販売する場合でも、国内で行う仕入れが古物の買取りに該当するのであれば、古物商許可が必要になる可能性があります。

販売先が海外であることだけを理由に、国内での仕入れが古物営業法の対象外になるわけではありません。

また、海外向け販売では、古物営業法だけでなく、

  • 販売先の国・地域の輸入規制
  • 関税や消費税
  • 国際配送中の紛失・破損
  • 返品や決済トラブル
  • 偽物をめぐる紛争

などにも注意が必要です。


取引金額が1万円未満なら許可は不要?

「1万円未満の取引なら古物商許可は不要」と説明されることがありますが、これは正確ではありません。

取引金額は、古物商が行う相手方確認や取引記録に関する義務の一部に影響することがあります。

しかし、少額取引であることだけを理由に、古物商許可そのものが不要になるわけではありません。

少額のカードであっても、古物を仕入れて継続的に販売・交換する事業を行う場合には、許可の要否を別途判断する必要があります。

また、東京都では、1万円未満の買取りであっても、相手方が18歳未満ではないことの確認が必要とされています。

許可の要否と、個々の取引における本人確認・記録義務は分けて考えることが大切です。


宅配買取では身分証明書のコピーだけでは不十分

インターネットで買取りを募集し、カードを宅配便で送ってもらう場合には、非対面取引における本人確認が問題になります。

警視庁は、非対面で古物を買い取る場合、単に運転免許証などのコピーを送ってもらうだけでは、古物営業法上の確認として不十分であると案内しています。

宅配買取を始める場合には、法令で認められた本人確認方法を採用しなければなりません。

また、買取申込画面や利用規約を作るだけでなく、

  • 本人確認をどの時点で行うか
  • 買取代金をどの口座へ振り込むか
  • 住所確認をどのように行うか
  • 本人確認資料をどのように管理するか
  • 取引記録をどのように保存するか

といった実際の業務手順まで決める必要があります。

インターネット上の仕組みを構築する前に、管轄警察署へ確認することをおすすめします。


未成年者からの買取りに注意

ポケモンカードは未成年者も多数所有しているため、未成年者からの買取りは特に注意が必要です。

古物営業法上の義務だけでなく、都道府県の青少年保護育成条例や民法上の未成年者取消しも関係します。

東京都では、相手方が18歳未満ではないことの確認が必要とされており、18歳未満からの買取りについては、保護者の関与を含めた慎重な対応が必要です。

具体的な取扱いは都道府県の条例や営業方法によって異なる可能性があります。

店舗買取り、宅配買取り、イベント会場での買取りなど、それぞれの場面を想定して、年齢確認と保護者同意の方法を決めておくことが大切です。


偽物や盗品が持ち込まれるリスク

高額なポケモンカードには、偽物、改造品、盗品などが混入するリスクがあります。

古物営業法は、盗品等の流通防止と早期発見を目的とする法律です。

カードを買い取る事業者には、許可を取得するだけでなく、相手方確認、取引記録の作成・保存、不正品の疑いがある場合の申告などが求められます。

実務上は、次のような仕組みも必要になります。

  • カードの真贋を確認する基準
  • カードの状態や傷を記録する方法
  • 査定内容を依頼者へ説明する方法
  • 高額カードの写真を保存する方法
  • 買取後の保管・管理方法
  • 偽物と判明した場合の対応方針
  • 盗品の疑いが生じた場合の社内対応

古物商許可を取得することと、適切な買取業務を運営できることは別の問題です。

許可申請と並行して、買取業務のルールも整備しておく必要があります。


警察署へ事前相談するときに整理すること

ポケモンカードの取引は、仕入方法やサービスの仕組みによって許可の要否が変わる可能性があります。

警察署へ相談する際は、単に、

ポケモンカードを売りたいのですが、許可は必要ですか?

と質問するだけでは、正確な回答を得にくい場合があります。

少なくとも次の事項を整理して説明しましょう。

  • 誰からカードを仕入れるのか
  • 新品と中古品のどちらを扱うのか
  • 店舗、宅配、フリマアプリなど、どの方法で仕入れるのか
  • 誰に、どの方法で販売するのか
  • 売買、交換、委託販売のどれを行うのか
  • カードや代金がどのように移動するのか
  • インターネット取引で使用するURL
  • 本人確認と取引記録をどのように行う予定か

サービスの流れを図にして説明すると、警察署にも取引内容が伝わりやすくなります。


古物商許可の申請方法を確認したい方へ

この記事では、ポケモンカードやトレーディングカードの取引における許可の要否に限定して解説しました。

古物商許可の申請先、必要書類、申請手数料、個人申請と法人申請の違いなどについては、次の記事で詳しく解説しています。

古物商許可が必要・不要なケース|申請方法・費用・必要書類を行政書士が解説


まとめ

ポケモンカードやトレーディングカードを取り扱う場合、次のようなケースでは古物商許可が必要になる可能性があります。

  • 個人からカードを買い取って転売する
  • フリマアプリ等で仕入れたカードを継続的に販売する
  • 事業としてカード同士を交換する
  • カードの委託販売や交換の仲介を行う
  • 国内で仕入れたカードを海外へ販売する

一方、自分で遊んだり収集したりするために購入したカードを、コレクション整理として売却するだけであれば、通常は古物商許可を必要としません。

ただし、許可の要否は、カードが開封済みか未開封かだけでは判断できません。

仕入先、購入目的、取引の継続性、利益を得る目的、販売・交換方法を確認する必要があります。

また、フリマアプリや宅配買取りを利用する場合には、相手方の本人確認や取引記録を適切に行えるかという問題もあります。

行政書士なかじま法務事務所では、予定しているポケモンカード・トレーディングカード事業の仕組みをお伺いしたうえで、古物商許可の要否確認から申請手続きまでサポートしております。

「自分の取引方法で許可が必要か分からない」

「フリマアプリからの仕入れ方法に問題がないか確認したい」

「宅配買取りの本人確認方法を整理したい」

という方も、お気軽にご相談ください。

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