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医療法人を設立することのメリット・デメリットをわかりやすく解説!

「法人にした方が儲かるらしい?」「節税になるらしい」安易な気持ちで法人化しようと考えられる方も多いのではないでしょうか?

クリニック経営を個人経営から法人化することは、プラスの面とマイナスの面があります。

現在の経営のコンディションによって、法人化のタイミングを図ることが大切です。

今回は、医療法人化することのメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

1.法人化することのメリット

節税について

個人経営から法人化することによってかなりの節税が見込めます。

個人と法人で何が変わるのかを見ていきましょう。

法人化することによって、医療法人でクリニックを運営することになります。今までは、院長としてやっていた医師が法人のトップ(理事長)になって、医療法人から役員報酬という形で報酬を受け取ることになります。

個人の場合は、個人の医師がクリニックを運営して売上から経費を差し引いて残ったものが院長の収入(所得)になっていましたが、法人化になると、役員報酬という決まった年収にります。

個人の場合は、月によってバラツキがありますが、、法人化すると収入面は安定すと考えることができます。

また、クリニックの経営者が医療法人となり、院長への報酬は役員報酬なので、給与所得控除をうけることができるようになります。

ドクターの家族、身内の方を法人の役員にすることによって、控除を増やすことも可能です。

所得税・住民税などの個人課税が法人課税に変わるので、個人の最高税率55%かかっていたものが、法人税約30%以下の医療法人の税率になるります。よって、法人税率の方が個人の所得税率・住民税率を併せた税率よりもかなり低くなるので、その差額が節税になるということです。

個人運営では認められていなかった退職金の支払いについても、法人化することにより院長もしくは家族である理事に対して支払いが可能になりおます。退職金は優遇された税率が適用されるため、かなりの節税効果となります。

事業拡大について

次に、法人化することで、事業拡大が簡単にできるようになることも大きなメリットではないでしょうか。
個人運営の場合は、1つのクリニックしか運営ができません。

法人化した場合は、2店舗以上の事業拡大をしていくことができるようになります。各クリニックに管理者を置いて、理事として就任してもらうのです。

事業を拡大するには、個人よりも法人化した方が圧倒的に有利です。

相続・継承について

お子様が医師になって将来クリニックを継承する際には、医療法人化しておく方がスムーズに継承しやすいというメリットがあります。

2.法人化することのデメリット

医療法人化することによって、医療法に基づいて運営していかなければならないので、いろいろな手続きや経営の管理が複雑化してしまのが、法人化した院長の悩みどころです。

まず、法人化することによって、毎年事業報告を都道府県に上げなければならない提出書類が増えます。

また、役員会議や社員総会などの会議を開いて、議事録を作成して保管し置かなければなりません。

さらに、社会保険・厚生年金というような保険に加入する義務がでてくるので、それまで加入してこなかったクリニックにとっては負担増となります。

3.「持分あり」と「持分なし」

「持分あり」「持分なし」の違いは、財産権を「持っているのか」「持っていないのか」ということです。

現在は、出資持分のない医療法人の開設しか認められていません。平成19年4月以降に関しては、持ち分のない医療法人の開設しか認められていません。それ以前は、持ち分のある医療法人の開設がみとめられていました。

出資持分とは、出資額に応じて有する財産権のことで、この権利がないということは、クリニック設立時にいくら出資しても、法人が解散することになった際には、残余財産は出資者に分配されないということです。

医療法人の中でも、基金拠出型医療法人となれば、出資した分を限度に返してもらえるという様な医療法人の種類もあります。

一般的に持分のない医療法人となると財産権を持っていないので、残余財産の中から、ご自身が出資した分を取り戻すことはできません。解散したあとは、医療法人に残っている残余財産は国・地方に帰属してしまうので、個人がいくら出資して利益をだしたところで、個人には返ってこないのです。

よって、跡継ぎがいない医療法人は、財産権を有していない医療法人しか開設できないので、国に財産を没収されるというイメージになってしまうとデメリットに感じられるかもしれません。

 

医療法人化は先を見据えて、ご自身の運営だけでなく、次の代、その次の世代にどのように繋いでいくのかを計画に入れて考えられた方が良いと思われます。

当事務所では、医療法人設立のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。

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