お役立ちコラム
5.132025
【お子様世代へ】親の遺言書は絶対?「全財産を長男に」と言われた時の法的効力と、兄弟姉妹のトラブルを防ぐポイント

「親が『家と貯金はすべて同居している長男に譲る』と言っているが、他の兄弟は何ももらえないのだろうか…」 「将来兄弟間で揉めないよう、親に遺言書を書いてもらいたいけれど、どんな内容にしてもらえば安心なのか」
ご両親の高齢化に伴い、将来の相続を心配されるお子様世代からのご相談が、当事務所でも非常に増えています。
行政書士なかじま法務事務所 代表の中島英貴です。 親が残す遺言書は、相続トラブルを防ぐ最強のツールですが、決して「どんな内容でも絶対の強制力がある」というわけではありません。極端な内容の遺言書は、かえって残された兄弟姉妹間の深い溝(争族)を生んでしまう原因にもなります。
今回は、親の遺言書にはどこまで法的な強制力があるのか、そして、ご家族みんなが笑顔で手続きを終えられる遺言書を「親にどう書いてもらうべきか」について分かりやすく解説いたします。
1. 遺言書の「強制力」が及ぶ範囲(親ができること)
法律のルールに従って正しく作成された遺言書には、強い法的な効力があります。お父様やお母様が遺言書を残した場合、基本的には以下のことがその指示通りに実行されます。
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誰に、どの財産を渡すかの指定(相続分の指定)
「法定相続分(法律で定められた均等な割合)」とは異なる割合で財産を分けたり、「実家は長男へ、預金は長女へ」と具体的に指定することができます。 -
相続人以外への財産の譲渡(遺贈)
お世話になった親族や、支援したい団体などに財産を譲ることができます。 -
遺言執行者の指定(※残されたお子様にとって重要です)
遺言の内容(預金の解約など)を実際に進める責任者を決めておくことができます。当事務所のような専門家を指定しておいてもらうことで、お子様たちが平日に仕事を休んで役所や銀行を走り回る負担をゼロにすることができます。
これらについては、ご両親の意思が最優先で尊重されます。
2. 遺言書でも「縛れない」兄弟姉妹の権利:遺留分(いりゅうぶん)
遺言書に強い効力があるとはいえ、ご両親が「特定の誰か一人に全財産を譲る」といった極端な遺言を残した場合、他の兄弟姉妹は泣き寝入りするしかないのでしょうか?
実は、遺言書でも奪うことができない「遺留分(いりゅうぶん)」という強い権利が、残されたお子様には法律で保障されています。
遺留分とは、「残された家族の生活を保障するために、最低限認められている財産の取り分」のことです。 例えば、親の遺言書に「全財産を長男に相続させる」と書かれていたとしても、次男や長女は長男に対して「自分の最低限の取り分(遺留分)を現金で払ってほしい」と請求する権利があります。
つまり、親が遺言書で兄弟姉妹の権利を「完全に縛る」ことはできません。この遺留分を無視した遺言書は、結果的に「兄弟間での現金の請求」という最も悲しい金銭トラブルに発展してしまうのです。
3. 親に「どう書いてもらうか」が円満な相続の鍵
兄弟姉妹で争うことなく、実家の整理や預金の分割をスムーズに進めるためには、親に「遺留分に配慮したバランスの良い遺言書」を作ってもらうことが何よりも重要です。
しかし、親に「自分の遺留分を侵害しないように遺言を書いて」とは、なかなか直接言えるものではありませんよね。 そんな時に、ご両親に提案していただきたいのが「付言(ふげん)事項」の活用です。
付言事項とは、遺言書の最後に添える「家族へのお手紙」のようなものです。 「長男に実家を譲るのは、これまで同居して介護をしてくれた感謝と、今後の家の維持をお願いしたいからです。次男と長女にも少しばかりですが現金を残します。どうか兄弟で争わず、これからも助け合って生きていってください」
このような「なぜ、この分け方にしたのか」という親の本当の想いや感謝の言葉が添えられているだけで、財産を少なく受け取る側も「お父さんがそう言うなら…」と納得でき、円満な相続に繋がります。
まとめ:親子の対話から、一番安心できる形を一緒に見つけましょう
親の相続は、ご家族のこれまでの歩みや複雑な想いが交差するデリケートな問題です。 「親に遺言を書いてもらいたいけれど、どう切り出せばいいか分からない」 「親が極端な遺言を書こうとしているが、兄弟姉妹で揉めないか心配」
そのような時は、第三者である専門家を頼ってください。行政書士なかじま法務事務所が何よりも大切にしているのは、お客様のお話にじっくりと耳を傾ける「傾聴」の姿勢です。
まずはご相談者様(お子様)が抱える不安や、ご家族の状況をありのままにお聞かせください。その上で、必要であればご両親ともお会いして対話を重ね、法的にも感情的にも、ご家族全員が一番安心できる遺言の形を一緒に見つけていくお手伝いをさせていただきます。
まだ考えがまとまっていなくても大丈夫です。少しでも不安を感じたら、一人で悩まずにまずはお気軽にご相談ください。お客様やご両親のご負担を減らすため、基本的にはご実家やご指定の場所へ直接お伺いし、リラックスした環境でじっくりとお話を伺います(ご希望がございましたら事務所での面談も可能です)。初回のご相談は無料です。
皆様の未来への安心づくりを、誠心誠意サポートさせていただきます。
東京都台東区で「お困りごとを解決する」行政書士をしております。
医療法人設立サポート、遺言・相続などのご相談を承っております!




