お役立ちコラム
8.172025
遺言書を書かないとどうなる?残された家族が困る5つのトラブル

「自分には大した財産はないから」「家族の仲は良いから大丈夫」 そのように考えて、遺言書の準備を先延ばしにしていませんか?
実は、遺言書がないことで、多くのご家族が大変な思いをされています。相続財産の多少にかかわらず、ほんの少しのボタンの掛け違いで、家族関係に深い溝が生まれてしまうケースは決して珍しくありません。
遺言書は、ご自身の財産を守るためだけのものではありません。残された大切なご家族を、無用な争いや負担から守るための「最後のお守り」なのです。
この記事では、遺言書がない場合に実際に起こりうる、5つの代表的なトラブルを専門家の視点から解説します。
トラブル1:遺産分割協議がまとまらず「争族」に発展する
遺言書がない場合、相続人全員で「誰が」「どの財産を」「どれくらい」相続するのかを話し合って決める「遺産分割協議」を行う必要があります。
この協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。一人でも納得しない人がいれば、話は全く進まなくなってしまいます。
- 「長男だから多くもらって当然だ」
- 「親の介護を一番頑張ったのは私なのに…」
- 「実家(不動産)は誰も住まないから売ってお金で分けたい」
- 「思い出の詰まった家だから売りたくない」
それぞれの相続人にそれぞれの想いや事情があり、話し合いがまとまらず、今まで仲の良かった兄弟姉妹の関係に亀裂が入ってしまうことは、残念ながら非常に多いのです。 遺産分割協議がまとまらなければ、家庭裁判所での調停や審判に移行し、解決までに長い時間と精神的・金銭的な負担を強いられることになります。
トラブル2:相続手続きが煩雑で、家族に大きな負担をかける
遺産相続の手続きは、ご家族が思っている以上に複雑で時間がかかります。特に遺言書がない場合、その負担はさらに大きくなります。
①相続人の確定に手間がかかる
亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍謄本等を取り寄せ、誰が法的な相続人であるかを確定させる必要があります。古い戸籍は手書きで読みにくかったり、本籍地が何度も変わっている場合は全国の役所から取り寄せたりと、これだけで数ヶ月かかることもあります。
②金融機関の手続きが進まない
銀行預金の解約や名義変更には、原則として相続人全員の署名と実印、印鑑証明書が必要です。相続人が遠方に住んでいたり、協議に非協力的だったりすると、書類を一つ集めるだけでも大変な労力となります。
トラブル3:「介護を頑張ってくれた子」や「事業を継ぐ子」に多く財産を渡せない
ご自身の療養看護に尽力してくれたお子様や、家業を継いでくれたお子様に、財産を多く残したいと考えるのは自然なことです。
しかし、遺言書がなければ、その想いを実現することはできません。原則として、法律で定められた「法定相続分」に従って財産を分けることになるからです。
もちろん、「私がこれだけ貢献した」と主張する「寄与分」という制度はあります。しかし、その貢献度を客観的な証拠で示し、他の相続人全員に納得してもらうのは極めて難しく、かえって争いの火種になることも少なくありません。
ご自身の感謝の気持ちを確実に形にするためには、遺言書が不可欠です。
トラトラブル4:内縁の妻(夫)や息子の嫁など、お世話になった人に財産を渡せない
長年連れ添ったパートナーであっても、籍を入れていない「内縁関係」の場合、法律上の相続権は一切ありません。同様に、ご自身の介護を献身的にしてくれた「息子の嫁」や、お世話になったご友人なども相続人にはなれません。
遺言書がなければ、彼らに財産を一切残すことができず、最悪の場合、長年一緒に暮らしてきた家を追い出されてしまうといった悲劇も起こり得ます。 感謝を伝えたい特定の方がいる場合は、必ず遺言書を作成しておく必要があります。
トラブル5:子供がいない夫婦の場合、配偶者の親族と遺産分割協議が必要になる
お子様がいないご夫婦の場合、「自分の財産はすべて配偶者に渡る」と思われがちですが、そうとは限りません。
民法では、亡くなった方に子供がいない場合、親や兄弟姉妹も相続人になると定められています。
- 親がご健在の場合: 配偶者と親が相続人
- 親が既に亡くなっている場合: 配偶者と兄弟姉妹が相続人
これにより、残された配偶者は、これまでほとんど付き合いのなかった義理の親や兄弟姉妹と、遺産分割について話し合わなければならない可能性があります。これは非常に大きな精神的負担となるでしょう。
「全財産を妻(夫)に相続させる」という一文を遺言書に書いておくだけで、このような事態を避け、最愛のパートナーを守ることができます。
まとめ:遺言書は、家族への最後の「思いやり」
遺言書がないことで起こる5つのトラブルをご紹介しました。
- 遺産分割協議がまとまらない
- 相続手続きの負担が大きい
- 特定の相続人に多く財産を渡せない
- 内縁の妻など相続人以外の人に財産を渡せない
- 子供がいない場合、配偶者と疎遠な親族が相続人になる
これらのトラブルは、どれも残されたご家族を深く悩ませ、苦しめるものです。
遺言書は、ご自身の想いを実現し、愛するご家族を未来のトラブルから守るための、何よりの贈り物です。元気で判断能力がはっきりしているうちに、ぜひ準備を始めてみませんか?
「何から始めたらいいかわからない」「自分に合った遺言書の種類は?」など、遺言書に関するお悩みやご不安は、ぜひ当事務所にご相談ください。専門家である行政書士が、あなたの想いに寄り添い、法的に有効で、円満な相続を実現するための最適な遺言書作成をサポートいたします。
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